治療・手術
Medical DX編集部 2020.7.22

オンライン診療の保険適用範囲とは?2020年診療報酬改定より解説

2018年3月に厚生労働省より「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が発表されたことにより、同年4月から日本でのオンライン診療が本格的にスタートを切った。

しかしながら、通常の外来診療よりも保険点数が低いこと、算定要件が厳しいことなどもあって、普及の足かせとなっている部分があった。

そのことを踏まえ、2020年の診療報酬改定においてはこうした要件の見直しがはかられた。

これらを踏まえ、現時点でオンライン診療が行える治療について、解説をしていくことにする。

■オンライン診療を行う条件


「オンライン診療」を厚生労働省による「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に照らし合わせて説明すれば、「遠隔医療のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び 診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為」である。

さらに、オンライン診療を行う条件の概要は、

A)厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に準拠していること。

B)オンライン診療はビデオ(テレビ電話)での診察を主とすること。

C)初診は対面診療(AGA、禁煙外来などを除く)で、医師はオンライン診療をする旨、患者の同意を得、診療実施計画書を作成する。さらに初診から3カ月以上経過し、直近3カ月の間、毎月オンライン診療を行う医師と毎月対面診療を行っていること。

D)医師は、患者の緊急時には、すみやかに受診できる医療機関において対面診療を行えること。

というものだ。

■オンライン診療の保険適用範囲


では、オンライン診療で保険適用できる疾患には、どのようなものがあるのか。

先述の要件を満たした条件でオンライン診療を行った場合、「オンライン診療料」が適用され、ほか「特定疾患療養管理料 (情報通信機器を用いた場合)」、各々の「医学管理料」、および「処方箋料」などが加算されるかたちとなる(訪問治療とオンライン診療による医学管理を行っている場合は「オンライン在宅医学管理料」が適用される)。

以下に、「オンライン診療料」が適用される主な疾患をまとめた。

これを鑑みると、初診以外の慢性疾患の場合において、オンライン診療の保険適用が行われる、ということになる。

■オンライン診療を広めるためには


こうしてみると、保険適用できる対象疾患が限定的であることがわかる。たとえば、現在の技術でいえば、皮膚科が担当するような疾患には、映像と通話で充分対応できるという意見もあるが、保険適用には至っていない。

また、2020年の診療報酬改定で若干改善がみられたとはいえ、まだまだ点数が対面診療に比べて著しく低く、医療機関が導入を躊躇するケースもみられる。

ただ、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行で、こうした規制が緩和されてきている。

この4月に厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」を出し、上記の3カ月ルールを時限的に撤廃し、過去に受診履歴がない患者をのぞき、初診からのオンライン診療を一部解禁することを決めた(テレビ電話だけではなく、電話診療も限定的に認めている)。
※現時点(2020年7月22日)において、継続中

新型コロナの緊急事態宣言以降、何が何でも外へ出なくてはいけないという生活様式が変わってきている。医療の世界も、その例外には含まれないだろう。

社会の変化に合わせた医療として、オンライン診療への論議がより活発になることを期待したい。


厚生労働省「令和2年度診療報酬改定の概要(全体版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000616842.pdf
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WRITTEN by

Medical DX編集部

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