治療・手術
Medical DX編集部 2020.7.1

日本における医療プラットフォームの現在 代表的なサービスを紹介

■医療におけるプラットフォームの考え方


今世紀に入り、IT化が進むのに比例して、「プラットフォーム」という言葉が多用されるようになった。

要約すると、商品・サービスを提供する企業、それを利用する複数の企業(パートナー)、その顧客、その三者が会する「場」、ということだ。

たとえば、Amazonや楽天市場、App Storeなどを思い浮かべてもらえれば良いだろう。業界をまたいだパートナーと協力し合いながら、顧客のニーズに細やかな対応ができる──というのが、優れたプラットフォームということになる。

では、医療におけるプラットフォームとは何だろうか。

AI(人工知能)をはじめとした技術の進歩、医療におけるクラウドサービス解禁などの法改正で、個々の情報をビッグデータとして活用し、患者に最適な治療法を導き出したり、健康維持などに役立てるという考え方が、日本でも受け入れられてきている。

とはいえ、個人の健康情報をデジタルデータとして記録する電子カルテのシステムからはじまり、X線などの画像を共有する画像管理のシステム、検体検査を共有するシステム、病院において患者の予約・受付をするシステム、レセプト(診療報酬明細書)を作成するシステム……と、とても書ききれないほどのシステムが存在する。

これらのシステムを作っている企業と、医療従事者が、それぞれに連携をとって協力し合うことで、患者に対してきめ細かな治療・対応ができるようにする「場」──これが、医療のプラットフォームということになるだろう。

少々前置きが長くなったが、ここから日本の医療プラットフォームの代表的な例をあげていくことにする。

■「集合知により医療を“再発明”する」〜メドピア


日本では、現場の課題に対する改善点を新技術に見いだす医療従事者が自ら起業するという例は多い。

ヘルステック(医療×IT)ベンチャーの雄、メドピア株式会社は2004年に現役医師の石見陽氏によって創業された。合言葉は「集合知により医療を“再発明”する」。

その前年に立ち上げた若手医師のネットワーク「ネット医局」が前身の医師専用コミュニティサイト「MedPeer」は、現在12万人の医師(全医師の約1/3)が登録し、薬剤や症例などの臨床経験を共有するものだ。

このサイトを基幹に、全国に1000店舗以上を有するドラッグストアの株式会社スギ薬局、重症化予防プログラムを提供する名古屋大学医学部発ベンチャーの株式会社PREVENTなどと提携し、幅広い健康サポート事業へと動き出している。

■患者のための情報発信にも注力〜メドレー


クラウド型電子カルテ「CLINICSカルテ」、クラウド診療を支援するシステム「CLINICS」などを提供し、オンライン診療システム「CLINICSオンライン診療」が中核の事業の株式会社メドレーも、医師を中心に設立されたヘルステックベンチャー。

病気の情報や最新治療情報などが医師たちの手によって書かれており、患者やその家族も治療についての理解を深めることができる、オンライン医療事典「MEDLEY」や、疾患ごとに専門医が医療相談・セカンドオピニオンをオンラインで行う「オンライン専門外来ネットワーク」、医療に特化した老人ホーム検索サイト「介護のほんね」など、患者の「知りたい」に応えるための情報発信にも力を入れている。

■多分野で活躍するビッグデータプラットフォーマー〜オプティム


日本において、AI・IoT・ビッグデータプラットフォームを農業・水産・建築などさまざまな局面に生かしている企業が株式会社オプティムだ。

医療においても、眼底画像診断支援システム「OPTiM Doctor Eye」、在宅医療支援サービス「Smart Home Medical Care」、スマートフォンなどで簡単にオンライン診療が受けられるシステム「ポケットドクター」、あらゆる遠隔医療に活用可能な「オンライン診療プラットフォーム」など、多くのプラットフォーム事業を手がけている。

医療画像診断支援AI統合オープンプラットフォーム「AMIAS」は、世界の医療画像診断のAIプログラムメーカーへ、臨床研究用のプラットフォームを提供するなどの施策も行っており、今後のAI医療の発展に大きく関わるプラットフォーマーといっても過言ではない。

■世界からも注目される医療IT大手〜エムスリー


エムスリー株式会社は、医療従事者専門サイト「m3.com」を運営する会社だが、子会社も含め、近年さまざまな企業との連携を深めている。

子会社のエムスリーデジカル株式会社で、AI搭載のクラウド型電子カルテを展開。また、診療予約システム「iTICKET Smart Cloud」、患者向けのポータル「アイチケット広場」などのサービスで知られるアイチケット株式会社を子会社化している。

加えて、大手SNS・LINE株式会社と共同出資でLINEヘルスケア株式会社を設立、遠隔健康医療相談、医療に関するQ&Aからオンライン診療をはじめとした事業に着手。またこの5月には大手医療クラウドサービスNOBORIと事業提携して医用の画像診断支援AIプラットフォーム事業に着手、さらには株式会社NTTドコモ、ソニー株式会社と医療機関向けの事業協業計画を発表するなど、世界からも注目されている。

あくまで代表的な例を挙げたが、ほかにも多数の医療プラットフォームがあり、日々進化を遂げている。

新型コロナウィルスによって、生活のさまざまな場面でオンライン化が進むと予想されるなか、こうしたプラットフォームの整備が医療の未来を担っているといっても過言ではないだろう。


メドピア株式会社|集合知により医療を再発明する
https://medpeer.co.jp/
医療ヘルスケアの未来をつくる|株式会社メドレー
https://www.medley.jp/
OPTiM(オプティム)|AI・IoT・ビッグデータプラットフォームのマーケットリーダー
https://www.optim.co.jp/
エムスリー株式会社
https://corporate.m3.com/
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Medical DX編集部

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