予防
Medical DX編集部 2022.5.11

心臓病再発予防プログラムの構築と実践へ〜順天堂とソニー、エムスリーの共同研究開始

2021年に行われた、ソニー株式会社・エムスリー株式会社が実施した医療イノベーションアイデアコンテストで、順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学の土肥智貴准教授のアイデア「amue linkを駆使した心臓リハビリテーションプログラム『心リハwith amue link』の構築と実践:心血管疾患の再発予防最大化プロジェクト」が優秀賞を受賞した。

これを受けて、ソニーとエムスリーの合弁会社、株式会社サプリムの協力で、実用化に向けての本格研究が始まった。この研究は、デジタル技術を臨床の場に積極的に応用することで、ヘルスケアへの取り組みや予防意識の向上を患者にうながし、心臓病再発率の低下を目指すというものだ。

近年、急性心筋梗塞や狭心症の再発予防のための、心臓リハビリテーションの意義が高まっている。心臓リハビリテーションは「心疾患患者の最適な身体的、心理的、社会的状態を回復および維持し、基礎にある動脈硬化の進行を抑制し、さらに罹病率と死亡率を低下させることを目指す多面的介入」と定義されている。

しかし、心臓リハビリテーションは日本においてまだ低水準で、臨床効果が十全に供給できていないという現実がある。さらには、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による外出自粛などで、心血管疾患の進行、重症化が懸念されている。

そういったなかで、デジタルデバイスを使った患者の運動量やバイタルを遠隔モニタリングすることは、実臨床に有用となるうえ、オンライン診療の重要な補助ツールになるとも考えられる。

そこで、共同研究グループは双方向性コミュニケーションを重視し、医療とデジタル技術による相乗効果について、心臓病患者を対象に検証していくのがこの研究の狙いだ。

プレスリリースより、研究方法のチャート図

まず、約50人の冠動脈疾患既往のある20歳以上の患者を対象にし、スマートウォッチ型デバイスをつけて、身体活動量や心拍数など、1日の活動記録情報を収集する。そのうえで12週間、デバイス装着群(標準群)と、デバイス装着+オンライン指導介入群をランダムに設定する。そこから心臓リハビリテーション実施率、動脈硬化リスク、患者の意識変容なども副次的に評価していく、という流れだ。

今回の研究は、心臓病は「治す」時代から「予防する」時代となりつつある時代に、デジタル技術によって、予防の有意義なシステム構築を狙っているという。今後オンラインが加速する医療において、有効的な体制づくりのひとつとして、今後の展開が期待されるところだ。
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Medical DX編集部

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