予防
Medical DX編集部 2020.7.1

IoT機器で病気を予防!医療に役立つモニタリングデバイス10選

CONTENTS
  1. ■日ごろからの健康管理のために──スマートウォッチからはじめよう
  2. ■「着る」ことでより精密な生体データを
  3. ■パルスオキシメーターも血圧計もウェアラブル
  4. ■聴診器、AIカメラ〜医療現場のモニタリングデバイス
これからますます進む高齢化社会、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に代表されるような未曾有の疾病などで、医療現場における業務量の増大が考えられるなか、日本ではいまだに医療に関わる人材不足が問題視されている。

こうした問題を軽減する方法として期待されているのが、IoT(Internet of Things=モノのインターネット)機器でのモニタリングだ。

常時インターネットにつながったデバイスを患者が身につけることで、体温・血圧などの生体データを詳細に収集、診断・治療の正確性が確保できる。また、これらのデータを健康情報として取得し、ビッグデータ化することによって、個々の疾病への予防、また健康増進への適切な対応が取れるようになるだろう。

さらには、医療スタッフがIoTデバイスで患者の状態をモニタリングできれば、そのデータを一元化することによって、現場の「見える化」を実現し、現場の労働量、ひいてはコストも低減させることが可能になると言われている。

こうしたメリットから、個人・医療現場でさまざまなモニタリングデバイスの開発・導入がはじまっているのだ。ここからは、現時点での代表的なデバイスを紹介していこう。

■日ごろからの健康管理のために──スマートウォッチからはじめよう


生体データの収集をするためのデバイスで最も身近なのが、腕時計型・リストバンド型のウェアラブルデバイスだ。

Apple社の「Apple Watch」、Fitbit社の「Inspire HR」「Alta HR」、ドコモ・ヘルスケア株式会社の「ムーヴバンド3」など、多数の商品が存在する。それぞれ、活動量・血圧・脈拍・体温といったデータをスマートフォンに転送し、おのおののアプリ上で日ごろの健康状態を簡単に記録することが可能だ。また、個人の希望によって医療機関へのデータ転送が可能となり、これらのデータを取得することで、予防医療に役立てることを目指している。

また、着用者が倒れたときに緊急通報をしてくれる転倒検出機能(Apple Watch)、自動的に睡眠の記録が取れる機能(Alta HR)など、機種によっての特徴もデザインも多様なため、それぞれのライフスタイルに合わせてチョイスすることができる。

■「着る」ことでより精密な生体データを


また、衣類に微弱な電流を流す素材を使って、体が発する微弱な電気信号=生体データを収集するというウェアラブルデバイスも存在する。

日本国内では、東レ株式会社の「hitoe」や東洋紡株式会社「COCOMI」がその代表選手だ。着るものなので、寝たきりの患者や、ハードな肉体労働者などの健康管理にも使用しやすいメリットがある。ちなみに、心拍から眠気を検知することができるため、居眠り運転防止に役立てる動きも出ている。

海外では、スタンフォード大学が無線センサー「BodyNet」の研究を進めている。絆創膏のように身体に貼って、皮膚からの生体信号を検出し、より精密なデータ取得を目指したプロジェクトだ。

また、株式会社ジンズが発売した眼鏡型デバイス「JINS MEME」も注目されている製品だ。眼鏡についた3つのセンサーが、眼球の動きによって発する電位差を感知し、データをリアルタイムに収集。データはスマートフォンのアプリに転送され、独自のアルゴリズムによって肉体の状況だけではなく、精神の疲労度も計算するという。

医療分野での予兆診断システムの研究を産学協同体制で進めていくということで、より広い場面での活用も期待され、今後も注視したい製品である。

■パルスオキシメーターも血圧計もウェアラブル

 

最近、新型コロナの報道の中で「パルスオキシメーター(pulse oximeter)」という単語を聞いた方もいるだろう。血液検査などをすることなく、脈拍数と動脈血酸素飽和度(SpO2)を測定する装置だ。

これらの数値の測定で肺炎の重症度の判断が可能(※肺炎への感染を判断するものではない)なことや、個人でも購入できることから、話題となったものだ。

病院の外来や病棟などでよく使われている、指先に光をあてて測定するタイプの製品は、コニカミノルタ株式会社が1977年に開発したもの。小型で軽量にするなどの改良がはかられ、特に最新版の「PULSOX-Neo」では、脈拍数・SpO2をわずか15秒で計測することが可能となっている。

変わったところでは、Tezerの「R5MAX」という、腕につけているだけでパルスオキシメーターの役割を果たすスマートウォッチ型の製品も存在する。

また、同じくスマートウォッチ型の血圧計も登場した。オムロン ヘルスケア株式会社のウェアラブル血圧計「HeartGuide」がそれで、日常生活のさまざまな場面で血圧測定を簡単にできるのが最大の利点。管理医療機器としての認証も得ている優れものだ。とくに最新版の「HCR-6900T」はクールなデザインも評判となっている。

■聴診器、AIカメラ〜医療現場のモニタリングデバイス


医療現場において欠かせない聴診器も、IoT化が進んでいる。

例えば、音響機器メーカーのパイオニア株式会社による「電子聴診器 MSS-U11C」は、独自の音響増幅機能によって異音を聞き分けられるほか、PCやタブレットにBluetoothで接続し、聴診音と患者の個人データをひも付けして、より精密な健康管理をすることができるようになった。

ほかにもこれまでに使用している聴診器のチェストピース(身体に当てる部分)に後付けして、スマホなどで音声を記録できる商品も登場している。医療ベンチャーの株式会社シェアメディカルの「ネクステート」などが代表例で、さらなる開発が期待される分野だ。

さて現在、こうしたIoTデバイスでとれたビッグデータや、AI(人工知能)を活用し、医療現場の労力低減、合理化を目指す、「AIホスピタル」の実現に向けた動きが高まっている。

代表的な例としてあげられるのが、株式会社オプティムの「OPTiM AI Camera」。病院内をモニタリングして「見える化」することで、施設内や患者の見守り体制を強化、また院内感染の防止などに役立てることで、予防医療に大きなメリットをもたらすとされるプロジェクトだ。

より細やかで効率的な健康管理や、予防医療のために活用できるモニタリング機器。ここではそのごく一部を紹介したが、国内外で日進月歩の改良・開発が行われているだけに、より大きな可能性を秘めた製品が今後も登場することだろう。


Watch - Apple(日本)
https://www.apple.com/jp/watch/
Fitbit Inspire &Inspire HR
https://www.fitbit.com/jp/inspire
AltaHR
https://www.fitbit.com/jp/altahr
活動量計 ムーヴバンド3
https://www.d-healthcare.co.jp/products/moveband3/ 
hitoe-ヒトエ- | TORAY
https://www.hitoe.toray/
COCOMI|素材発見|Discover TOYOBO|東洋紡
https://www.toyobo.co.jp/discover/materials/cocomi/index.html
JINS MEME|TURN IT ON - 見るから、知るへ。
https://jins-meme.com/ja/
パルスオキシメーター「PULSOX-Neo (パルソックスネオ)」新発売 | コニカミノルタ
https://www.konicaminolta.com/jp-ja/newsroom/topics/2019/0624-01-01.html
ウェアラブル血圧計 HeartGuide HCR-6900T|オムロン ヘルスケア
https://www.healthcare.omron.co.jp/sp/hcr-6900t/
電子聴診器 MSS-U11C | パイオニア株式会社
https://jpn.pioneer/ja/mhbd/mss/
デジタル聴診デバイス ネクステート(Nexstetho)- シェアメディカル
https://www.nexstetho.com/
医療機関向け | OPTiM Cloud IoT OS
https://www.optim.cloud/services/ai-camera/hospital/

写真:Shutterstock
WRITTEN by

Medical DX編集部

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