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Medical DX編集部 2022.3.17

糖尿病を対象にしたオンライン診療やオンライン指導が広がる!

CONTENTS
  1. ■定期的な通院が必要とされる疾患こそオンラインの需要がある
    1. 訪問とオンライン診療の組み合わせによるサービス
    2. 医師がリアルタイムに血糖値データを確認可能なシステム
    3. 患者のタイプに合わせた改善指導

■定期的な通院が必要とされる疾患こそオンラインの需要がある


新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、関心が高まったものにオンライン診療がある。感染のリスクを避けるため、そのニーズが高まったこともあるが、オンライン診療の強みはそれだけではない。定期的な通院が必要とされる疾患の診療にこそ、その強みは発揮されるといえる。

たとえば、糖尿病や高血圧症といった生活習慣病。これらは心臓疾患や脳血管障害など重篤な合併症の進行につながる疾患でありながら、定期的な通院がハードルとなって勤労世代の治療継続率が低くなっている。そうした患者を対象に、通院にかかる移動時間や待ち時間を短縮でき、無理なく継続できる治療環境を用意できることこそが、オンライン診療の大きな強みだろう。

そこで、ここではおもに糖尿病を対象にしたオンラインによる診療や血糖管理、生活指導の事例を紹介したい。

訪問とオンライン診療の組み合わせによるサービス


まず取り上げるのは、在宅医療を軸としたヘルスケア関連サービスの開発・運営をする株式会社UMedがサービス提供をしている、自宅で保険適用の診療を受けることができるアプリ「UMed Healthcare」だ。


このサービスは、連携クリニックの医師によるオンライン診療を受けられ、また採血や尿検査など、診断に検査が必要な場合は看護師が自宅に行き検体をとるシステムを採用しているのが特徴。アプリでオンライン診療の予約をおこない、予約の時間にアプリ内でビデオコールをして診察を受け、予約時に登録したクレジットカードで自動決済、オンライン服薬指導を受けることで薬が自宅へと配送される。

現在は、糖尿病・高血圧症・脂質異常症の患者を対象に、渋谷区・新宿区・中野区・杉並区・世田谷区限定でサービスを開始している。

医師がリアルタイムに血糖値データを確認可能なシステム


次に取り上げるのは、慶應義塾大学病院の糖尿病・肥満症外来で運用が開始されている、血糖のクラウド管理システムについてだ。

慶應義塾大学病院では2020年11月から糖尿病・肥満症外来で「拡充型血糖クラウド管理システム」が運用されている。これは、簡易自己血糖測定器を使用することで、各医療機器メーカーのアプリに自動でデータ入力される血圧や体重、血糖値やインスリン使用量といった患者の記録データを、メディカルデータカードのMeDaCaシステムを介して、医師が各医療機器メーカーのクラウドの垣根を超えてシームレスに確認できるというものだ。

このシステムが導入されたことで、オンライン診療において医師は血糖値のデータをリアルタイムで確認することができ、より細やかな指導や診断を下すことが可能になっている。また、医療機関と患者のデータを共有することで、患者と糖尿病専門医、糖尿病専門医とかかりつけ医師をつなぐ役割も担える。


さらには、この「拡充型血糖クラウド管理システム」のデータ連携先の拡充を進めることで、将来的にはさらなる垣根を超えた情報の一元化と解析技術の開発によるデータ連携遠隔医療システムの構築を進めていきたいとしている。

患者のタイプに合わせた改善指導


最後に紹介するのは、株式会社BLISSLEADが2022年1月から提供しているサービス、糖尿病オンライン指導「グルコミット」だ。糖尿病専門医の矢野宏行医師監修・指導のもと、患者の体質や血糖パターンに合わせたパーソナル指導をオンラインでおこなうというサービスである。


「グルコミット」のサービス内容は、まず初めの2週間で24時間連続の血糖値測定を実施し、患者の血糖パターンを可視化。1日の血糖パターンから、①空腹時高血糖タイプ、②食後高血糖タイプ、③混合タイプの3つのタイプに分類し、それぞれに合わせた食生活の改善法や効果的な運動方法をLINEを使ってアドバイスし、月2回の専門医によるzoom面談をとおして指導を受けられるというものだ。

日本では成人の6人に1人が糖尿病あるいはその予備軍といわれる。また、生活習慣病の患者数は全人口の約15%にあたる1850万人にものぼる。これらの疾患はいずれも軽度の場合はさしたる不便も感じずに生活できるが、先にも述べたように、一度進行すると心臓疾患や脳血管障害など重篤な合併症の進行につながる可能性が高まり、定期的な通院による治療が必要となる。しかしながら、自分で軽度だと判断して通院をやめたり、そもそも診察を受けない予備軍が相当数いるのが実態だ。そうした層を多く抱えるからこそ、糖尿病をはじめとした生活習慣病を対象としたオンライン診療やオンライン指導がより広まることに期待したい。


WRITTEN by

Medical DX編集部

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