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加藤 泰朗 2021.2.10

進む世界の新型コロナワクチン接種、日本の状況は⁉︎

CONTENTS
  1. ■すでに世界73カ国で1億2400万回以上のワクチンが投与
  2. ■2月中旬よりワクチン接種が始まる見込み
  3. ■ワクチン確保後にも課題がある

■すでに世界73カ国で1億2400万回以上のワクチンが投与


世界は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種の動きを加速させている。

アメリカの大手情報・通信企業Bloombergが収集したデータによると、2月6日時点で、世界73カ国で1億2400万回以上のワクチンが投与されている。1日の接種回数(1週間平均)でみると、約461万回という数字になる。

国別でみると、もっとも進んでいるのがイスラエルである。英国のオックスフォード大学が運営する「Our World in Date」の新型コロナワクチンの統計ページ「Statistics and Research Coronavirus(COVID-19)Vaccinations」によると、イスラエルにおける人口100人あたりの累計接種回数は、2021年2月5日時点で62.12回に達する。日経新聞の報道によると、イスラエル国民のすでに約4割が少なくとも1回のワクチン接種を受けており、優先接種を受けた61歳以上の高齢者では新規感染が4割減ったという。

イスラエルに次いで多いのは、アラブ首長国連邦の38.92回(2月4日時点)、英国の16.19回(2月3日時点)、アメリカ11.01回(2月5日時点)である。アジアで接種がもっとも進んでいるのは中国で、2月3日時点で2.17回、全体の19番目である。

世界がワクチン接種をCOVID-19の出口と見定めて実行する一方で、日本はかなりの遅れをとっている。2021年1月末時点、日本はG7のなかで唯一ワクチン接種が開始されておらず、経済協力開発機構(OECD)37カ国でみても、ワクチン接種が始められていないのは、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、コロンビアの5カ国に限られる。

■2月中旬よりワクチン接種が始まる見込み


その日本で、ようやくワクチン接種が開始される。2月15日、アメリカの製薬大手ファイザー社のワクチンが正式に承認され次第、ワクチン接種が開始されるという。

厚生労働省のホームページによると、日本におけるワクチン接種を受けられる優先順位は次のとおりである。

(1)医療従事者
(2)高齢者(2021年度中に65歳に達する、1957年4月1日以前に生まれた方)
(3)高齢者以外で基礎疾患を有する方や高齢者施設等で従事されている方
(4)それ以外の方

このほか、妊婦の優先接種や子どもに対する摂取は、安全性や有効性を見定めながら検討されるという。

今回の接種対象は、優先順位1位の医療従事者である。続いて4月1日以降には、優先順位2位の高齢者への接種が始まる予定である。それ以外の対象者については、接種開始時期は未定だが、国民すべてが接種できるほどのワクチン量を確保できておらず、またその接種体制も十分に構築できていない現状では、妥当な対応だろう。

2021年2月5日、イギリスの製薬大手アストラゼネカ社は、日本での製造販売の承認を厚生労働省に行ったと発表した。ファイザー社に続いて国内では2例目である。アストラゼネカ社は、2020年12月11日、日本における1億2000万回分(6000万人分)のCOVID-19ワクチンの供給について、日本政府と最終合意書を締結している。今回の申請は、その一部を日本国内で生産販売するためのものである。申請が承認されれば、国内でのワクチンの安定供給につながり、より多くの希望者へのワクチン接種ができる環境が整うと期待される。


■ワクチン確保後にも課題がある


ワクチンを確保したとして、次にどこでどのように接種するかという課題が生じる。COVID-19ワクチンは、種類によっては低温保存が必要など、通常のワクチンよりも取り扱いがむずかしいといわれる。保管や流通など、考えなければいけない問題が山積みである。

2月1日、東京都練馬区は、ワクチン接種体制、「練馬区モデル」を発表した。診療所での個別接種と集団接種会場とを組み合わせて、効率よくワクチン接種するもので、国が想定しているよりも短期間で接種を完了できるという。今後、ほかの地域でも同じような新しい取り組みが行われることを期待したい。

グローバルな視点では、不公平なワクチン分配の問題がある。国連のグテレス事務総長は1月25日、「世界経済フォーラム(WEF)」が主催するオンライン会合「ダボス・アジェンダ」で、世界経済におけるワクチンの公平分配の重要性を訴えた。自国の接種促進と世界のワクチン再分配への貢献という難しい課題に、先進国日本がどのように向き合うか、世界が注目している。


※記事の内容は2021年2月7日現在のものです。数値や接種状況など、最新の状況をご確認ください。
WRITTEN by

加藤 泰朗

1973年生まれ。人文系・建築系・医学看護系の専門出版社を経て、独立。
フリーランスとして、編集・ライティングを行う。
難しいことを楽しく、わかりやすく伝えることを大切にしています。

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