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Medical DX編集部 2020.12.9

Apple Watchで血圧測定が可能に?特許出願から見るアップルのヘルスケア戦略

近年、IoTデバイスの中でも注目を集めているのは、体温や活動量、血圧、脈拍、血糖値などの生体のデジタルデータを収集するウェアラブルデバイスだ。

ウェアラブルデバイスを装着した人間の生体データをデジタル情報として可視化することによって、自身の身体機能の変化を把握することができる。また、場合によってはそのデータを医療機関などと共有することによって、重大な疾患の予防、生活習慣病などの軽減につなげることができるとされる。また、個々の生体データがビッグデータ化されることで、疾患の研究などにも役立てられるようになる。

こうしたことから、ウェアラブルデバイスの開発は日進月歩で進んでいる。

ウェアラブルデバイスのなかでも、特に身近な存在となっているのが、スマートウォッチだろう。香港の調査会社Counterpoint Reserachの調べによれば、世界の2020年上半期(1月~6月)におけるスマートウォッチの売上は、前年比で20%アップしている。

これらは主要IT企業による事業への取り組みとも並行している。

Amazonは8月にスマートウォッチ型のウェアラブル端末「Amazon Halo Band」を発売。専用アプリによって、一般消費者向け健康サービス「Amazon Halo」でヘルスケアデータを管理するシステムを提供。現在はアメリカのみのサービスだが、今後世界的に広がることも予想される。

また、Googleは昨年、世界で2000万人以上のユーザーがいるとされる、ウェアラブル端末大手のFitbitを買収する計画を発表した。Googleの持つ技術力で、膨大なヘルスケアデータを活かした事業へのさらなる取り組みが期待されている。

そんななか、世界のスマートウォッチ市場で大きな力を持つのがAppleApple Watchだ。

前出のCounterpoint Reserachの調査によれば、全世界のスマートウォッチ売上高で過半数を占め、この9月に発表されたApple Watch Series 6も話題となっている。

Appleは巨大IT企業のなかでも、いちはやく医療・ヘルスケア市場で地歩を固めてきた。2018年には電子式心拍数センサーが内蔵の心電図(ECG)機能を持つSeries 4を発表、米国では医療機器としてFDAの認可を得た。日本でも今年の9月に医薬品医療機器総合機構によって医療機器として承認された

そんななかAppleは、Apple Watchで日常的な血圧計測が可能になるような開発をしているという。この取り組みは、Appleによるアメリカの特許商標庁への申請から読み解くことができる。

一般的な血圧計は、空気袋によって腕を圧迫することで拡張期と収縮期の血圧を測るものだ。腕時計型のデバイスでは、この空気袋を小さくしてベルトに入れることで、血圧を測れるようにする技術が研究されていた。実際、昨年オムロン ヘルスケアから「Heart Guide」という商品が発売されている。

だが、Appleがこの11月26日に特許商標庁へ申請した技術は空気袋による圧迫を必要としないものだ。電圧測定センサーによって、左心室からの血液の排出を検出し、Apple Watchをつけた手首に到着するまでの時間を計測することで血圧を算出するという技術だ。

まだ特許を出願した段階で、製品化されるかどうかは不明だ(実際に前述のベルト技術に関しても、Appleは2年ほど前に特許出願している)。しかし、これが実現したとしたら、睡眠中をはじめとした日常生活のいたるところで連続的な血圧測定が簡単にできるようになり、ヘルスデータのモニタリングにさらなる進化がもたらされることは間違いない。
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