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Medical DX編集部 2020.8.25

国産の手術ロボットがいよいよ市場へ!ダヴィンチの牙城を崩せるか

国産初の手術支援ロボット「hinotori サージカルロボットシステム」が2020年8月に、製造販売承認を取得。早ければ8月中にも発売される。

まず泌尿器科領域を対象に市場導入を目指すとしており、前立腺がん、腎がん、膀胱がんといった手術に導入されると考えられる。

手術支援ロボットは、難度の高い手技が必要とされる低侵襲の腹腔鏡手術で普及が進んでいる。ただ、ロボット自体はアメリカのインテュイティブサージカルが開発した「ダヴィンチ(da Vinci Surgical System)」が国内でも圧倒的なシェアを占めており、これに対抗する国産の手術支援ロボットの登場が待ち望まれていた。

<参考記事>
オペを支援! ロボットと5Gで手術はどう変わっていく?

メディカロイドが開発した手術支援ロボット「hinotori」は、実際に手術を行う「オペレーションユニット」と、術者が手や足を用いて操作する「サージョンコックピット」、映像の統合や音声のコントロールを行う「ビジョンユニット」からなる。

オペレーションユニットのアームは、ヒトの腕に近いコンパクトな設計で、アーム同士やアームと助手の医師との干渉を低減し、より円滑な手術が可能となることが期待される。サージョンコックピットは、執刀医の姿勢にあわせることが可能なように人間工学的な手法で設計。執刀医の負担を軽減し、ストレスフリーな手術をサポートする。ビジョンユニットは、サージョンコックピットに高精細な内視鏡画像を 3D で映し出すとともに、執刀医と助手の医師との円滑なコミュニケーションをサポートすることが可能だ。

オペレーションユニットの4本のアームは細く動作の自由度が高い。「ダヴィンチ」のアームは長くて干渉が起こりやすいといわれており、その課題を解決した形だ。また、国産ならではのメリットとして、日本の医師の要望を製品に反映し、きめ細やかに対応しながら改良できることも強みとしている。

また、ロボットはメディカロイドのサポートセンターとネットワークで接続されており、手術前や手術中の動作状況について、リアルタイムでのサポートや点検できる。今後は、術式や操作、画像などと手技をデータ化した上でトレーニングに活用し、医療技術の伝承と向上を目指すといった取り組みも予定されている。

1999年の発売以降、世界で約5000台が稼働している「ダヴィンチ」は、2012年の保険収載後、国内では泌尿器科領域を中心に普及。2018年には消化器外科、呼吸器外科などにも保険収載が広がり、国内で約350台が稼働しているといわれる。

さらに、グーグルとジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が立ち上げた手術支援ロボットを開発するベンチャー企業「ヴァーブ・サージカル」は、ロボット活用やデータ解析を柱とする「デジタル手術プラットフォーム」の確立を掲げている。

国内では東京工業大学と東京医科歯科大学が研究開発の主体となる大学発のベンチャー、リバーフィールドが、空気圧駆動とすることにより、小型軽量で低コストな手術支援ロボットを開発し、22年中の発売を目指している。

手術支援ロボットの開発は、今後も進んでいくと思われるが、自身も医師であった手塚治虫の永遠の生命をテーマにした物語「火の鳥」から名付けられた「hinotori」が、有力な選択肢となることは間違いないだろう。
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