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Medical DX編集部 2020.8.19

コロナ禍のなかエッセンシャルワーカーをロボットが助ける!消毒作業やバイオ実験に活用

■接触感染の拡大防止策としてのロボット活用


いまも世界中で猛威をふるう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。この感染症対策として、エッセンシャルワーカー(生活必須職従事者)の仕事を助けるロボットの導入が進みそうだ。

警備や清掃、点検を行う遠隔操作ロボットを開発するMira Robotics株式会社の次世代型アバターロボット「ugo(ユーゴー)」は、2本のアームと高さ調整によってさまざまな業務を行う。遠隔操作が基本だが、AIによる学習機能で同じ稼動条件下であれば自動モードも可能。もともとは少子高齢化や労働力不足を補うものとして開発されてきたが、非接触で感染症対策になる点からニーズが高まっているという。

不特定多数の人がどうしても集まる公共施設や交通機関系施設、商業施設、オフィスビルなどでは、空調の完備や人の移動に人数制限や時間制限をかけることで閉鎖空間を避ける対策をして飛沫感染のリスクを下げる対応がとられているケースが多い。

しかし、不特定多数の人が触りやすい場所、たとえばドアノブや手すり、エレベーターのボタンなど、ウイルスが付着している部分を触ったのちに口や鼻の粘膜から感染する接触感染のリスク対策はどうしても対応しきれない部分がある。また、それらの対策を警備員や施設従事者に求めるのは、仕事量としても、精神的ストレスとしても、いま以上の負荷をかけるものになる。

そこでMira Roboticsでは、接触感染の拡大防止策としてUV-C(紫外線)除菌機能を搭載したロボットハンドを新たに開発。「ugo」に搭載することで、日々の巡回移動時に共用部にあるドアノブやエレベーターのボタンなどにUV-Cを照射し、ウイルスを消毒、半自動で施設内の感染症対策を行えるようにする。

UV-C(紫外線)除菌機能ロボットハンドを搭載した「ugo」(プレスリリースより)


■創薬現場でも進む支援ロボットの導入


こうした新型コロナウイルス感染症対策を念頭に入れたロボット導入は医療現場や創薬の現場でも進みつつある。

新型コロナウイルスに関連する分野では、PCR検査を自動化するロボットの開発が進んでいる。

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いっぽう、iPS細胞を使った創薬研究で、双腕型の実験支援ロボットシステム「LabDroid」を活用していたアステラス製薬では、コロナ禍の緊急事態宣言下においても無人でバイオ実験を継続できたことを評価しているという。

「LabDroid」は、ロボットベンチャーのロボティック・バイオロジー・インスティテュートが手掛けたもので、人に代わって細胞培養などのバイオ実験の作業を行うもの。2017年にアステラス製薬は、iPS細胞を使った創薬研究の確立に向けて導入した。

このロボットシステムは、一度動かせば、週に1~2回出勤して試薬の供給など多少のメンテナンス作業をするだけで、あとは自動で稼働することから、緊急事態宣言が出て出勤停止になってからも実験を継続できたという。ただし、現状はネットワークに接続されていないため、遠隔操作はできなかった。

創薬という実験の精度や再現性が求められる場においても、効率性を高めるうえで実験支援ロボットの導入は求められつつあった。また、新型コロナウイルスのワクチンをつくるような場においては、感染リスクを下げるためにもロボット導入は必須と考えられるようになっている。今後は、遠隔操作も視野に入れた支援ロボットの開発や導入がより進んでいくだろう。


Mira Robotics株式会社「ugo」
https://www.ugo.plus/
「感染症対策:人が触れる場所をアバターロボットugoで紫外線除菌」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000034305.html
「日経Robotics」2020年8月号
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Medical DX編集部

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