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Medical DX編集部 2022.11.1

医療DXは加速できるか? 政府の医療DX推進本部が発足!

■来春をめどに医療情報プラットフォーム、電子カルテ標準化などの施策工程表策定へ


2022年10月12日、政府の医療DX推進本部が発足し、初会合が開かれた。その初会合で岸田文雄首相は、「医療分野でのデジタル・トランスフォーメーションを通じたサービスの効率化や質の向上により国民の保健医療の向上を図るなど、わが国の医療の将来を大きく切り拓いて行くものであり、政府としても、今年の骨太の方針に盛り込み、その実現に全力をあげていく」と強調したという。

具体的に推進すべき施策として、①全国医療情報プラットフォームの創設、②電子カルテ情報の標準化、③診療報酬改定DXを中心に据え、2023年春をめどに施策実現に向けた工程表をまとめることになった。

また、23年4月以降のオンライン資格確認の原則義務化を見据え、医療機関や薬局以外で保険証を活用する場での浸透を念頭に、マイナンバーカードを保険証として使うのに必要なオンライン資格確認の用途拡大などを、補助金の活用なども視野に入れて検討することになった。

具体的に推進すべき施策としてあがっている3点に関しては、下記のような未来像を描いている。

①の全国医療情報プラットフォームの創設に向けては、オンライン資格確認などのシステムのネットワークを拡充し、地方自治体の検診情報や医療機関の電子カルテなどの医療全般(介護を含む)の情報を共有・交換できるようにすることをめざす。それによって、一人ひとりが記憶していないような検査結果情報やアレルギー情報などを可視化し、誰であれどこであれ、安心・安全に医療を受けられるようにしたいとしている。

②の電子カルテの標準化では、形式の統一を進めることで、治療の最適化やAIなどの新しい医療技術の開発、創薬のために有効活用することをめざす。これは医療現場における業務効率化につながるとともに、収集した保健医療データを匿名化して二次利用することで、医薬品産業やヘルスケア産業の振興にもつなげていきたいとしている。

③の診療報酬改定DXでは、デジタル技術を利活用して診療報酬の改定作業を大幅に効率化し、医療保険制度全体の運営コスト削減をめざす。これが実現すれば、医療従事者だけでなく、医療情報システムに関与する人材の有効活用や費用の低減も可能になるとしている。

これらの施策はいずれも複数の省庁の管轄をまたがる内容のため、スピード感をもって取り組みを推進するためには、縦割りを排して、省庁横断的に取り組む必要があると判断して、医療DX推進本部は立ち上げられたという。実際、初会合には厚生労働省、デジタル庁、総務省、経済産業省などが参加している。

医療DXは国民にとっても確実に利便性アップにつながるものだが、一方で個人情報の保護といった問題がつきまとうものでもある。それだけに、しっかりとアナウンスをしながら、スピード感をもってこの取り組みが進むことに期待したい。


写真:会議のまとめを行う岸田総理(首相官邸HP 総理の一日より)
内閣官房「医療DX推進本部」(第1回)
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Medical DX編集部

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