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加藤 泰朗 2022.6.29

エクサウィザーズとケアコネクトジャパンが介護業務を効率化する新サービス創出へ!

■AI×介護ビッグデータで、新サービスの開発に挑む


エクサウィザーズは2022年5月30日、ケアコネクトジャパンと業務提携を開始し、AI介護ビッグデータを掛け合わせて、アウトカムにつなげる訪問介護向け音声入力システムの共同開発を進めると発表した。

エクサウィザーズは、顧客が抱えるさまざまな経営課題をAIで解決に導くサービス開発に取り組むスタートアップ。介護領域では、介護スタッフの間接業務をAI×音声入力でサポートする介護記録AIアプリ「CareWiz ハナスト」や、スマートフォンで歩行動作を動画撮影するだけで簡単歩行分析できるAIアプリ「トルト」などを提供している。

ケアコネクトジャパンは、介護・福祉・医療・保育事業向けソフトウエアの開発などを手がける企業。同社が提供する介護記録ソフト「CAREKARTE(ケアカルテ)」は、ナースコールやベッドセンサー、見守り機器など、さまざまなICT機器と連携しながら、現場の記録からプラン・請求まで、介護事業所の運営をトータルにサポートするサービスで、すでに約15000事業所での導入実績がある。

■求められる介護業務のさらなる効率化


業務提携の背景には、介護業界は深刻な人手不足がある。さらに、2021年度の介護報酬改定で、ケアの質向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)の運用がスタートし、より簡単かつ正確に介護記録をとることの重要性が増していることも提携を後押しした。

当メディアでも取り上げてきたように、エクサウィザーズとケアコネクトジャパンに限らず、これまでも多くの企業が、デジタル技術で介護現場の業務の効率化を図る開発・プロダクト提供を進めている。

一方で、「介護記録」に関していえば、DXがさほど進んでいないという。ケアコネクトジャパンの独自調査結果によると、介護記録のICT化率は、業界全体で現在、約50%以下に留まっている。

今回の業務提携で両社はそれぞれの強みを活かしながら、介護記録におけるICT化を推し進める。介護記録のICT化率を80%以上に引き上げ、介護記録環境の標準化を実現することが目標だ。

■業務提携で進める2つの取り組み


今回の業務提携で両社は、具体的に次の2つに取り組む。

1つは、「AI技術×介護ビッグデータ」の新システム創出に向けた共同開発。まず、エクサウィザーズの「ハナスト」とケアコネクトジャパンの「ケアカルテ」とを今後バンドル提供し、AI技術を活用して介護記録環境の現場導入負担軽減を図る。


同時に、「ハナスト」と「ケアカルテ」のオンボーディングプロセス(機器・システムの現場導入の初期段階)を加速させることで、カスタマーエクスペリエンス向上を図り、システム利用者数を増やしていく。

システム利用者数が増えることで蓄積された介護ビッグデータをもとにAIを進化させ、カスタマーエクスペリエンスをさらに向上させる好循環をつくりだすとともに、介護現場をアシストすることで、介護サービス利用者のADL維持、自立支援促進などのアウトカムにつなげる新システムを創出し、介護記録環境の付加価値向上をめざす。

2つめは、「ハナスト」で培った音声入力×AIのノウハウを訪問系サービス向けに展開することでシステム強化を図ること。


「ハナスト」の《音声入力機能》を活かして、訪問スタッフが自動車や自転車での移動時間などに介護記録を入力したり、一人での利用者宅への訪問時に《インカム機能(音声で連絡)》でサポートを受けたりできるようにして、新たな介護記録環境を構築し、システム導入事業所数の拡大を進める。

■業務提携でさらに進化する両社のプロダクト


今回の業務提携に関して、エクサウィザーズ代表取締役社長・石山洸氏は、「人生100時代」といわれる現在、ケア品質向上のためには、AIは欠かせない技術であるとの認識を示しつつ、「介護費を効率化して、最終的には社会保障の持続可能性につなげるため、ケアコネクトジャパンとともに、介護ビッグデータを利活用してアウトカムにつなげる新システムを創出し、テクノロジーの力で、ケアにかかわる人と専門職能の力を最大化することで、一人ひとりのWell-beingに貢献していきたい」との展望を示した。

一方、ケアコネクトジャパン代表取締役社長・齋藤芳久氏は「エクサウィザーズ社とともに、さらなる進化を遂げ、介護現場におけるさまざまな課題の解決の先駆的担い手として活動し(略)しっかりと現場のニーズ把握するとともに、技術革新により介護現場の業務の改革に貢献してまいりたい」との思いを語った。

両社は今回の業務提携・共同開発を通じて、介護サービス事業者の介護記録環境を整備し、「ハナスト」の導入事業所数2万事業所以上の拡大を長期的目標に、まずは2023年度に1000事業所への導入をめざす。


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WRITTEN by

加藤 泰朗

1973年生まれ。人文系・建築系・医学看護系の専門出版社を経て、独立。
フリーランスとして、編集・ライティングを行う。
難しいことを楽しく、わかりやすく伝えることを大切にしています。
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