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Medical DX編集部 2022.4.21

次世代の病院IoTモデルの確立をめざした研究が順天堂大学でスタート

■医療業界にいま求められているDXを進めるために


少子化による人手不足、高齢化による患者の増加、そして昨今の新型コロナウイルス感染拡大の影響......。こうした複合的な要因により、医療現場の逼迫は想定以上に進んでいる。その状況を打破するために求められているのが、最新のITツールやデジタル技術を活用して業務効率化や生産性向上を実現する医療DXだ。

そこで、この春より順天堂大学において、医療現場におけるIoTデバイスヘルスケアデータの新たな活用法を見いだし、実用化に向けた次世代の病院IoTモデルの確立を目的とした「次世代病院IoTネットワーク共同研究講座」が開設された。

なお、この共同研究においてパートナーとなるアライドテレシスホールディングス株式会社は、これまでもさまざまな医療関連機器メーカーと共同検証などを重ね、無線LANリューションとIoTの活用で業務の効率化と患者満足度の向上に注力してきた実績がある。

「次世代病院IoTネットワーク共同研究」の内容は大別して、次の4つからなる。


医療機器の位置検知および稼働状況分析

医療現場において、管理がむずかしいといわれるのが医療機器である。どこで現在使用されているのか、使用されていないものがどこにあるのか、患者への貸出や故障による修理を要する場合など、状況が多種多様であるため、管理が困難だといわれている。そこで、機器の移動距離や現在位置などを、位置情報ソリューション「AWC-CB(Channel Blanket)」を活用してリアルタイムに可視化することで医療機器の“迷子”を防ぎ、資産管理ソリューションで医療機器の稼働状況を管理し、臨床工学技士がおこなう医療機器の管理業務の工数と時間を大幅に削減する研究を進める。


②内線電話(スマートフォン)利用時の精度向上

2023年3月のPHSサービス終了にともない、院内で使用する内線がスマートフォンに移行することが見込まれている。スマートフォンは無線を使って音声を利用するので、移動すると途切れるという課題があったが、これを「AWC-CB」を活用することで、複数の無線LANアクセスポイントを仮想的な1台のアクセスポイントとして動作させ、ほかの医療機器への電波干渉を回避しつつ、端末の移動による途切れを防ぐ研究を進める。

③ヘルスケア、IoTデータの統合と分析

少子高齢化の影響によって心配されているもののひとつに、医師不足による医師の都市への偏在化があげられる。医師の偏在化による歪みは、地方医療や地域医療に現れることになるだろう。そこで、地域医療の連携をよりいっそう円滑に推進していくために、データ共有プラットフォームを活用し、複数の病院でのヘルスケア、IoTデータを統合・分析して、新たなソリューション開発の基盤をつくる研究を進める。

④セキュリティソリューション基盤のモデル化

さまざまな医療データが集まるこれからの病院は、サイバーセキュリティ対策が必須になる。懸念されるセキュリティホールなどへの対策、および病院におけるセキュリティ対策の基盤をモデル化することで、究極の個人情報を守る研究を進める。

これら4つの研究が進むことで、次世代の病院IoTネットワークがさらに進化し、医療現場の業務の改善・効率化が図られることで、医療従事者の患者ケアがより充実する環境整備が広まることに期待したい。


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WRITTEN by

Medical DX編集部

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