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Medical DX編集部 2022.3.10

スマートウォッチの次はスマートリング? Appleも狙う、次のヘルスケアウェアラブルデバイス

ここ数年、注目のIoTデバイスといえば、Apple Watchに代表されるスマートウォッチ/スマートバンドだ。昨年2021年には部品不足が叫ばれながらも、新型コロナウイルス感染症の影響から、健康状態を管理するためのウェアラブルデバイスとして、現在もなお注目を集め続けている。

近年、この腕時計型のスマートウォッチ/スマートバンドに代わるウェアラブルデバイスとして注目されているのが、スマートリングだ。

スマートリングは、名前の通り指輪型で、他のデバイスのロック解除などの鍵代わりや、電子マネーでの決済などが行える小型のIoTデバイスを指す。腕時計をする習慣がない人にも訴求でき、スマートウォッチよりもファッション感覚で装着ができるところが、スマートウォッチとの違いということになるだろう。

また、視認性の問題や、その大きさ自体の問題から、使用できる範囲が限られるため、それぞれ得意分野に特化された作りになっているところもポイントとして挙げられる。

もちろん、健康状態を管理するためのウェアラブルデバイスの機能に優れたスマートリングも登場している。

■アメリカのプロスポーツ界から注目を集めたOura Ring


ヘルスケア機能に特化したスマートリングとして、最も注目されているデバイスが、Oura Ringだ。

Oura Ringはフィンランドのスタートアップ・Oura社によって開発・販売されている製品だ。Googleのベンチャーキャピタルプロジェクト「Gradient Ventures」をはじめ、巨額の資金調達を得ていることからも、その注目度は計り知れる。

一般的な注目をより集めたのが、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい始めた2020年のことだった。

アメリカで人気のプロ・バスケットボールリーグNBAは、新型コロナのパンデミックによって、2019〜2020年シーズンの中断を余儀なくされていた。そのリーグ再開のために、選手たちにOura Ringを装着させる計画を立てた、という報道がなされたのだ。

その後、同じくアメリカ最大のレース団体NASCARや、人気総合格闘技団体UFCなどのスポーツ団体が採用を発表し、話題を呼ぶこととなった。

このOura Ring導入のきっかけは、日常の健康状態を計測し、その差異によって、新型コロナの前兆を見つけられるようにするという意図だった。この報道に先立って2020年の3月にカリフォルニア大学サンフランシスコ校で、医療従事者の感染を予測するテストも行われていることも後押しとなったようである。

こうして、Oura Ringは欧米を中心に脚光を浴びるようになったのだ。

■日常の平均値から危険な傾向を知らせるアルゴリズム


このOura Ring、現在は昨年11月に発売された第三世代(Oura Ring 3)が最新モデルとして発売されている。日本でも海外サイトからの購入が可能だ。

注文をすると、まず指のサイズを測るためのサイジングキットが送られてきて、24時間装着してサイズを合わせて、そのサイズを送信(どの指でもいいようだが、Ouraは人差し指を推奨している)、その後チタン製の実物が送られてくる。カラーリングもゴールド、シルバーをはじめ4色用意されている。また、非常に軽量で、一度の充電で4〜7日間使用できるという。

Oura Ringには、赤外線LEDセンサーとNTCサーミスター(体温センサー)、さらに3D加速度計とジャイロスコープが搭載されており、心拍数・皮膚温度・呼吸速度などのコンディションや、睡眠分析、運動量などのアクティビティを計測できる。これらのデータはiOSAndroidスマートフォンアプリから管理・閲覧することが可能だ。

特筆すべきは睡眠分析だ。睡眠スコア、合計睡眠時間などのデータを事細かに取得する。突発的な異常を検出するというよりは、日常のデータ平均値から危険な傾向を察知し、異常を見つけやすくするというアルゴリズムであることがわかる。

近々、アップデートによって睡眠中の血中酸素濃度を表示する酸素飽和度(SpO2)測定機能も追加されるとされており、さらなる期待が集まっている。

■スマートリングはIT大手も狙う「次のウェアラブルデバイス」


このようなヘルスケア機能に特化したスマートリングを販売している企業はいくつかあるが、まだOura Ringほどの認知度は得ていない。

そんななか、IT大手もスマートリングへの興味を示しているようだ。昨年Googleに買収されたFitbitも、アメリカでスマートリングに関する特許を申請している。

申請によれば、手首につけるウェアラブルデバイスのSpO2センサーよりも正確なセンサーとのことで、着用者の酸素飽和度、脈拍、血圧、血糖値などをモニタリングできるデバイスを目指していることがわかる。

これに関しては、世界的にApple Watchがシェアを固めつつあるスマートウォッチの「次のデバイス」を目指していることを示しているものだろう。

また、Appleもそれに先んじて、指輪型のデバイスの特許申請を行っている。これは幅を拡張できるようになっており、指輪の形から指の第一関節、第二関節を覆うように伸ばすことができるもののようだ。

いずれにせよ、スマートリングが次世代のヘルスケアモニタリングデバイスとして期待されている証拠である。

今後、どういったスマートリングが出て、ヘルスケアサービスにどういった影響があるのか、注視しておきたいところだ。


●Oura社ウェブサイト
https://ouraring.com/
●日本語の商品紹介
https://support.ouraring.com/hc/ja/articles/4409072131091-%E7%AC%AC3%E4%B8%96%E4%BB%A3%E3%81%AE%E7%B4%B9%E4%BB%8B
 
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