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Medical DX編集部 2022.2.14

山梨県のコロナ対策を支える医療DX「SHINGEN」、患者自身がスマホに状況を入力

■患者情報を一元管理するシステムで医療体制を支える


オミクロン株の出現によって、2022年1月から新型コロナウイルスは感染拡大の局面に入り、現在は「第6波」の状況の真っ只中にある日本。

1月9日から「蔓延防止等重点措置」が適用された広島県、山口県、沖縄県に始まり、2月13日時点では、北海道、青森県、山形県、福島県、群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、長野県、静岡県、岐阜県、愛知県、三重県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、岡山県、島根県、香川県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県の計36都道府県で蔓延防止等重点措置が実施されている。

そうしたなか、隣接5都県すべてが蔓延防止等重点措置を適用している山梨県は、13日現在、重点措置適用は申請せずに、コロナ対策に当たっている。隣接5都県と異なり、なぜ重点措置適用の必要がないのか? そのカギは、山梨大学が21年に開発した、コロナ感染患者の情報を一元管理するシステム「SHINGEN(Smart Health INformation Gathering & Evaluation Network)」にあった。

SHINGENでは、患者自身がスマートフォンに、体温や血中酸素濃度などの数値や息苦しさ、倦怠感などの状況を入力。その情報が、療養施設に24時間常駐している医師や看護師だけでなく、施設管理者、山梨大学病院、山梨医師会、重点医療機関のコロナ外来などで共有され、一覧できる。これにより、患者の症状管理の効率化や健康観察の質の向上が図れており、また宿泊療養から退所後のケアまでシームレスに医療スタッフが患者情報を共有することも可能になっていることから、容体の変化にも即時対応できる体制となっている。

山梨県においても、オミクロン株による第6波の影響から患者数は急増しており、1月からは、医師が診断して、軽症であったり、重症化しないと判断した場合に限って、自宅で療養する「ホームケア型療養」の取り組みが始まっている。ここでもSHINGENを運用して患者の状況を一元管理しており、症状が悪化した場合は、自宅から医療強化型宿泊療養施設への入所や重点医療機関への入院に切り替えられる体制となっている。

保健所に電話してもつながりにくく、自宅で症状が急変したときの対応が遅いといった事例が頻発している他都道府県とは異なり、すべての患者をリアルタイムに見守る体制を山梨県は確立したといえる。

システムとしては決して高度な仕組みではないが、山梨県の医療体制を支える大きな武器となっているSHINGEN。コロナの猛威がまだやまないからこそ、こうした知恵は日本全国でぜひ見習いたいものだ。


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Medical DX編集部

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