
■千葉大発医療スタートアップがAI予測診断アルゴリズムを開発
日本医療研究開発機構(AMED)の研究開発課題「先進的医療機器・システム等技術開発事業『救急医療予測研究開発』」に採用されている、「脳卒中AI予測診断アルゴリズム研究開発」。
千葉大学発の医療スタートアップ・株式会社Smart119が、千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学との共同で、その脳卒中AI予測診断アルゴリズムの研究開発を行っている。同社は、急性期医療における脳卒中疾病に対して、AI予測診断アルゴリズムを確立し有効性を実証したとする研究論文が、国際科学誌『Scientific Reports』に掲載されたことを公表した。
開発された脳卒中AI予測診断は、救急患者の背景に個別に存在する条件(容態、疾患履歴、気象状況など)から、脳卒中のなかでも、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、主幹動脈閉塞のいずれに該当するか判断するというもの。
今後、同社が提供する救急医療情報サービス「Smart119」への実装を見込んでおり、21年度中には、Smart119を導入した千葉市消防局の救急車に装備されたタブレット端末で使用できるようにするとしている。

そうなれば、タブレット端末によってAI診断を実施し、最適な医療機関への受け入れ要請が行え、受け入れ医療機関では病状や症状によって、専門医の招集や緊急手術への準備を、救急車到着前に整えることが可能になる。
脳卒中は、救急搬入数が多い三大疾病のなかでも、とくに突発的な発病の傾向がある。救命はもちろん、片麻痺などの後遺症を抑えるためにも、救急隊の判断の精度と受け入れ病院における急性期治療の迅速さと的確さが求められる。その一助として、このAI予測診断には大きな期待が集まっている。
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