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Medical DX編集部 2021.11.2

ニューノーマルの医療DXが見えてきた〜「第4回 医療と介護の総合展(メディカルジャパン)【東京】」レポート

10月13日~15日の3日間、幕張メッセにて、「第4回 医療と介護の総合展(メディカルジャパン)【東京】」(主催:RX Japan株式会社)が開催された。医療・介護向けの最新機器、サービスなど約550社が出展、多数の入場者を記録した。

今回は、DX化に向けたサービスとして注目された展示をいくつかピックアップしてレポートする。

薬局のDX化を追求する「Musubi」



「次世代薬局 EXPO」では、昨年のオンライン服薬指導開始以降、業務が増加する薬局のDX化をサポートするサービスの数々が展示されていた。

なかでも注目を集めていたのが、株式会社カケハシの「Musubi」。薬局・薬剤師の負担を軽減して、従業員・患者の満足度をともに高める「薬局体験向上」のための構造的な業務改善をする調剤薬局向けのクラウドサービスとして、順調に導入数を伸ばしている。

「Musubi」はいわゆる電子薬歴・服薬指導ツールに加えて、LINEを通じて患者の服薬期間のフォローをする「Pocket Musubi」、経営データを見える化する「Musubi Insight」など、最大限に業務の効率化をサポートする施策を順次導入してきた。

そしてこの9月、新たに提供したのが「Musubi AI在庫管理」というオプションサービスだ。名前のとおり、AIを利用してクラウド上で在庫の管理・発注を行うシステムとなっている。

在庫管理・発注は薬局において最も難しい業務のひとつだ。アナログだと薬剤の需要の把握、調剤予定のない不動在庫の予測は、どうしてもベテランの薬剤師などの感覚に頼りがちになるという、属人化が課題となっていた。

そこでカケハシ社は、独自のAIと、在庫管理に適した独自コード(※現在特許出願中)を開発。AIが患者の来局日時を推測、需要の予測を自動で行う。また、アルゴリズムがコードを自動で紐付けてPTP/バラ、壺/チューブやエンシュアの味など、患者に必要な違いも踏まえた在庫の管理と最適な発注を提案してくれることで、在庫管理が誰でも簡潔に行えるようなシステムとなっている。

また、今後は「Musubi AI在庫管理」上で、チェーン店などでの店舗間在庫融通機能や、子会社の株式会社Pharmarketと連携した不動在庫売却のレコメンドを行う「らくトク売却」を提供する予定となっている。機能追加で、よりよいサービス提供を目指すという。

セキュアな医療機関専門のスマートフォン「日病モバイル」



「医療IT EXPO」で注目されたのが、株式会社フロンティア・フィールドのブースで展示されていた医療機関専門のスマートフォン「日病モバイル」だ(同社と一般社団法人日本病院会、株式会社日本病院共済会の3社で共同開発)。

VPN接続のセキュアなネットワークを使用するため、安全な環境での通信が行える。職員それぞれにアカウントを提供するため、どの職員がシステムにログイン中かどうか簡単に確認できる。

ナースコール連携を標準搭載し、緊急時には複数端末を同時に呼び出すことができる。誰が応答したかのログも確認可能だ。また、チャット機能、さらにはオプションで専用回線によるビデオ通話も提供。訪問看護先などでの円滑なコミュニケーションがとれるような工夫もなされている。

導入にあたっても、既存のPHSとの併用利用(部分導入)ができたり、1台の端末を複数人で共有できるなど、コスト対策への気配りがされているのもポイントだろう。

カスタム可能なベッドサイドソリューション「EUCALIA TOUCH」



同じく「医療IT EXPO」において目をひいたのが、株式会社レイズによるベッドサイドソリューション「EUCALIA TOUCH(ユカリアタッチ)」だ。PCなどの持ち運びにとらわれず、ベッドサイドで患者の情報が確認できるというシステムだ。

ICチップ内蔵の市販測定器をセンサーにかざすだけで、バイタルデータを電子カルテに登録。作業時間も圧倒的に短縮され、人的ミスも少なく済む。

なにより、画面上から患者情報が確認できるのが注目点だろう。見やすく、使いやすいUIで、患者の注意事項をピクトグラムで表示(患者の状態に応じて自動的に更新)される工夫が施されている。また、職員のICカード・パスワードを入れることで、医療関係者しか見られない詳細な情報も参照できるため、迅速な応対が行える。


そして、表示される画面構成が、導入する医療機関の希望によってカスタマイズできることも特筆すべき点だろう。実際に導入した各医療機関の画面が展示されていたが、それぞれ、より詳細な医療情報を掲載したり、リハビリ用に特化させていたり、売店注文など患者向けの変更を施したりと、各機関の特色によって細やかな変更が行われているところが目を引いた。もちろん、導入後、相談に応じてカスタマイズを行っていくことも可能という。

患者目線で病院受診をスマート&スピーディーに「My Hospital」



「クリニックEXPO」の展示で、多くの来場者が手に取っていたのが、株式会社プラスメディによるスマートフォン向けのアプリ「My Hospital」だ。

IT企業で活躍していた社長の永田幹広氏が、自身が難病を患ったことで気がついた、患者が通院の際に抱えるさまざまな課題を解決するサービスとして開始されたという。

AndroidiOSのスマホ上からアプリをダウンロード、案内に応じて必要情報を入力する。ここで、クレジットカードを登録することでオンライン決済(後払い)もできるようになる。さらには診察の待合順番のプッシュ通知や、会計時や処方箋薬局での待ち時間などの短縮、検査結果の閲覧や処方薬の管理などがスマートフォン上で行える。

UIもわかりやすく整理されており、徹底的に生活者・患者目線に立った「使いやすい」サービスとして注目される。

スマートホスピタル化のための医療DXパッケージ「iisy(イージー)」



また、同じ「クリニックEXPO」で注目を集めていたのが株式会社ソラストによる医療DXパッケージ「iisy(イージー)」だ。

ソラスト社は日本初の医療事務教育機関として創業した医療事務のパイオニアとして知られる。「iisy」は同社の医療事務の専門スキルを持ったスタッフが、クリニックを中心とした全国各地の医療事務業務を、リモートセンターでリアルタイムに対応するというシステムだ。

元日レセからの流れをくむ新しいクラウドレセコン「WebORCA」(本年中の提供を予定)、クラウド電子カルテ「CLIUS(クリアス)」、そして前出の「My Hospital」に対応。

予約・問合せ対応、受付処理、料金計算、診療報酬請求などの業務を「iisy」が行うことで、医療スタッフが医業に集中でき、労務の軽減、患者へのサービス品質を向上できる。比較的簡単にスマートホスピタル戦略を推進できるシステムとして期待される。

昨年の展示会は、新型コロナウイルス感染症対策にスポットを当てた展示が多かった印象だが、今年はニューノーマル後の社会、医師の働き方改革を見すえた展示が多かった印象を受ける。医療・薬事のDX化への取り組みが、いよいよ本格化する兆しが見えてきた展示会だったと言えるだろう。


医療と介護の総合展(メディカルジャパン)
https://www.medical-jpn.jp/hub/ja-jp.html
Musubi
https://musubi.kakehashi.life/
日病モバイル
https://www.frontierfield.co.jp/services/mobile/
EUCALIA TOUCH(ユカリアタッチ)
https://01s.jp/products/
My Hospital
https://plus-medi-corp.com/product/
iisy(イージー)
https://www.solasto.co.jp/news/iisy.html
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Medical DX編集部

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