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Medical DX編集部 2021.8.10

オンライン診療とホルター心電計を組み合わせた不整脈疾患の診療、神戸大が共同研究

■「オンライン診療ポケットドクター」とウェアラブル心電計「duranta」を組み合わせる


第5波として急激に拡大している新型コロナウイルス感染症。その拡大防止策の特例として、2020年4月から初診のオンライン診療が認められたが、オンライン診療の需要はじつはほかにもある。世界でもっとも早く高齢化社会を迎える日本では、慢性疾患患者が増加すること、介護が必要となる人口が増加すること、それに伴う在宅医療の推進などからも、オンライン診療が求められているのだ。

こうした背景から、オンライン診療の可能性を広げる研究が各所で始まっている。そのひとつとして、7月末に発表された、神戸大学と株式会社オプティム、株式会社ZAIKENの共同研究を紹介しよう。それは、状態が比較的安定した不整脈疾患患者を対象に、オンライン診療と、対面による診察を組み合わせた循環器外来での新たな診療形態の安全性と有用性を検討するというものである。

これまで不整脈疾患患者に対しては、診察時に不整脈発作を確認するためリアルタイムで心電図の確認を実施する必要があり、自宅で専用の医療機器や検査体制を用意するのは現実的には困難なため、オンライン診療では心電図確認が行えなかった。

また、不整脈の発作や再発を確認するためには、診察時の心電図検査に加えて、24時間のホルター心電図検査(日常生活の心電図を記録するための検査)を行うことが一般的だが、従来はこの検査のために患者は2日連続で通院する必要があり、高齢の患者やその家族には大きな負担となっていた。

こうした課題を解消するものとして、株式会社オプティムが開発した、診療予約やビデオ通話によるオンライン診療、医薬品や処方箋の配送管理までを一元で行えるスマートフォン用サービス「オンライン診療ポケットドクター」と、株式会社ZAIKENが提供する、小型軽量で長時間にわたって心電図を連続で記録できるホルター心電計「duranta」を組み合わせることで、循環器外来での新たな診療形態の可能性を検討するという。

具体的には、患者に自宅で「duranta」を装着してもらい、長時間心電図検査は郵送で、リアルタイムでの心電図はサーバーを介して送信してもらい、それをもとに、「オンライン診療ポケットドクター」を用いたオンラインでの診察を行う。

研究試験フローチャート
✳︎不整脈カテーテルアプレーションとは、不整脈の代表的な治療法のこと。

「オンライン診療ポケットドクター」と「duranta」を組み合わせることで、状態が比較的安定した不整脈疾患患者の通院負担は軽減でき、新型コロナウイルス感染症対策ともなる。また、従来より長時間の心電図モニタリングが可能になることから、不整脈再発の早期発見につながる可能性もあるという。

これからの日本において、オンライン診療の需要は確実に高まっていくものと思われる。高齢化社会は高齢患者の増加だけでなく、労働人口の減少に伴う医師不足も招く。そうした未来を乗り切るためにも、オンライン診療の可能性を広げる試みに期待したい。


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