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Medical DX編集部 2021.7.16

コロナ禍のなか注目度が高まる遠隔モニタリングシステム

■神戸市立医療センター中央市民病院が

日本最大規模のコロナ患者モニタリングシステムを運用


新型コロナウイルス感染症の脅威に晒されるようになって、すでに1年以上が経つ。現在は、東京オリンピック開幕を控えながら、同時に第5波の入り口に入りつつあるという認識が広がっており、医療従事者の苦闘は想像を超えるものがある。

医療従事者がもっとも苦労するものに、「感染への不安感」がある。医療機関内でクラスターが発生したことからもわかるように、その感染力の強さは特筆すべきものがある。また変異ウイルスの登場によって、ワクチン接種が進んでいない40〜50代の重症者急増が予想されており、病床確保やその体制づくりに遅れが生じるようであれば、医療従事者の「感染への不安感」はどうしてもより高まってしまうだろう。

こうした状況のなか、現場の医療従事者に寄り添うものとして注目を集めているのが、遠隔モニタリングシステムだ。

神戸市において、新型コロナウイルス感染症の重症患者を、中心的に受け入れている神戸市立医療センター中央市民病院(以下、中央市民病院)は、2020年11月に全国初となる重症・中等症専用の臨時病棟を設置、遠隔モニタリングシステムを導入して対応を強化していた。しかし、12月からの第3波において臨時病棟を含めた重症患者病棟が満床となり、コロナウイルス患者以外の救急患者の受け入れを制限せざるをえない事態に追い込まれた。

そこで中央市民病院では今後のさらなる感染拡大に備えて、救急外来すべての病床と、ゾーニングした一般病棟16床にも遠隔モニタリングシステムを導入。スタッフステーションから患者や現場の医療スタッフの様子が確認できるだけでなく、会話も可能となった。

この中央市民病院が導入した遠隔モニタリングシステムが、株式会社T-ICUが提供している「クロスバイ」だ。ベッドサイドに高性能カメラを配置。患者の表情や顔色、呼吸様式の観察までが可能であり、人工呼吸器を含む各種医療機器と接続することで、多面的な患者情報を院内の離れた場所からでもモニタリングできる。

遠隔モニタリングシステム「クロスバイ」の概要図

実際に導入した中央市民病院からは、「患者様の状況をスタッフステーションから見守ることができるため、防護服の着脱回数を最低限まで減らすことができ」るといった声や、「室内の異常を早期に発見し、対処することが可能となり、リーダー層の看護師が全体を把握しやすくなったため、マネジメントにも役立って」いるといった声、また「患者様の情報が以前より入手しやすくなったおかげで、患者様とのコミュニケーションの質が上がっている」といった声があがっている。

こうした声からは、遠隔モニタリングシステムは、医療従事者の業務効率改善につながると同時に、患者とのコミュニケーションの質向上にもつながることがわかる。そしてなにより、医療従事者の感染防止策としても大きな役割を果たす。

現在は、新型コロナウイルス感染症対策のひとつとして注目されている遠隔モニタリングシステムだが、このシステムは感染症診療に限られるものではない。今回のコロナ禍で図らずも判明したように、医療現場の人手不足も深刻な問題と化している。限られた人員で個室にいる患者すべてを見守ることができるモニタリングシステムは、人手不足に悩む医療現場においても大きな力を発揮することだろう。


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