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Medical DX編集部 2020.7.21

メディカロイドが新型コロナ対策として自動PCR検査ロボットシステムを開発へ

日本国内での初感染者が2020年1月に報告されてからすでに半年が経とうとしている現在も、世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。

7月14日時点で日本国内の感染者数は22,000人を超え、死亡者数も1,000人に近づこうとしている。東京都では7月2日以降、1日100人以上の感染確認が1日を除いて続いており、まだまだ収束は見えてきていないというのが現状である。

ここで重要になるのが、新型コロナウイルス感染症の再拡大に備えた検査体制の拡充だろう。新型コロナウイルス感染症の検査としてはPCR検査が知られているが、検体を扱う際に医療従事者が感染してしまうリスクがあることや、検査装置の扱いに高度な技術が必要とされたことから人材の確保が難しく、なかなかすぐに人員を増やして検査を拡充することができていなかった。

そこで、この問題の解決策として期待されているのが、メディカロイド社が開発を発表した自動PCR検査ロボットシステムだ。

■ロボットシステムがPCR検査拡充の救世主となる!?


メディカロイドは、国産初の産業用ロボットを生産した川崎重工業と、世界190カ国以上で事業を展開している医療機器メーカーのシスメックス社が共同出資し、設立した医療用ロボットメーカーだ。

今回、メディカロイドは神戸市と連携して、ロボットシステムの運用を10月に神戸医療産業都市内の施設で開始する予定だという。

そのロボットシステムの概要は以下の3点。

1)遠隔操作による検体採取ロボットシステム
2)自動PCR検査ロボットシステム
3)検温などのバイタル測定や食事の配膳などを行う見守り・ケアネットワークシステム

PCR検査時、患者と医療関係者の距離をとって感染防止を可能にしながら検体を採取するロボットシステム案 (c)2020 Medicaroid Corporeation All Rights Reserved

1)は、検体採取の際に綿棒を鼻腔に入れる必要があることから、患者がくしゃみなどをして飛沫感染するリスクがあったが、このロボットを導入することで医療従事者が遠隔操作で患者とコミュニケーションをとりながら採取できるようになれば、感染を確実に防ぐことができる。なお、この作業には医療機器としての薬事承認が必要となるので、承認が不要な唾液検体採取の実現をまずは目指すという。

不活化処理作業のロボット化 (c)2020 Medicaroid Corporeation All Rights Reserved

2)は、PCR検査で必要とされていた不活化処理や核酸抽出、遺伝子増幅などの工程をロボットで自動化することで、感染リスクや人為的ミスを抑えられるようにするという。また、ロボットを導入することで、少人数による24時間体制の運用も可能になり、検査拡充の手段としても有効打になるだろう。

3)は、これまで院内感染などのリスクに晒されてきた看護師など医療従事者の感染リスク低減や、作業負担の低減につながると考えられている。

なお、1)と2)に関しては、川崎重工業の産業用双腕型ロボット「duAro2」をコアにロボットシステムを開発、3)に関しては、自走式ロボット「TRanbo」に「duAro2」を搭載したものを使用し、ネットワーク接続してデータと連携、画像などのログを保存して管理できるものにするという。

残念ながら、新型コロナウイルス感染症の危機はまだ去っていないというのが現実だ。再拡大に備えた検査拡充体制を早急に構築するためにも、また医療従事者の安全を確保し、負担を軽減するためにも、大きな期待がかかるロボットシステムだといえる。


株式会社メディカロイド
http://www.medicaroid.com
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Medical DX編集部

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