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Medical DX編集部 2021.7.14

地域医療の課題解決になるか? 地方でオンライン医療を広める可能性を探る!

■高知県宿毛市で「SUKUMOオンライン医療実証事業」が始まる!


新型コロナウイルス感染症拡大防止対策の特例として、2020年4月から初診のオンライン診療が認められ、一気に認知度が高まったオンライン診療。

だが、そもそもオンライン診療に関する診療報酬が新設されたのは、2018年4月。超高齢化社会を迎え、慢性疾患患者の増加や医師の地域偏在、介護負担の増加といった医療課題の解決策のひとつとしてだった。

しかし、現在のオンライン診療の受診者は約8割が40歳以下であり、またオンライン診療を行えると登録した医療機関の多くが大都市圏であるという結果(厚生労働省「第14回オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会資料」)が出ており、本来の対象者であったシニア世代や地方の患者にあまり広がっていないことが明らかになっている。

こうしたなか、地域でオンライン医療を広めるための実証事業が始まってきている。たとえば、高知県幡多地域の宿毛市と地元の大井田病院が実施している、オンライン診療・オンライン服薬指導および地域医療情報ネットワークを活用した「SUKUMOオンライン医療実証事業」がそれに当たる。

高知県幡多地域は人口10万人足らずが広範な地域に散在する地域特性を有しており、また宿毛市は高齢化率が全国平均の約1.5倍(40%)と超高齢化が進んでいることから、患者の医療へのアクセス向上と多剤服用や重複投薬などの抑制は早期に解決すべき大きな課題になっている。

そこで、宿毛市と大井田病院は、「オンライン診療システム CLINICS」や「かかりつけ薬局支援システム Pharms」を提供している株式会社メドレー、地域医療情報ネットワーク「高知家@ライン はたまるねっと」を運営している幡多医師会、オンライン診療やオンライン服薬指導で必要になるタブレット端末や通信環境を提供するNTTドコモ四国支社などの協力を得て、「SUKUMOオンライン医療実証事業」を6月末から12月末までの予定で開始したのだ。

オンライン診療・オンライン服薬指導・地域医療情報ネットワークを活用した「SUKUMOオンライン医療実証事業」のイメージ

オンラインを通じて患者とかかりつけ医・かかりつけ薬剤師がつながるこの実証事業によって、患者の医療へのアクセス向上、多剤服用や重複投薬などの抑制に有用性があることが示されれば、オンライン医療を広めていくきっかけになるだろう。

地域特性も、高齢化率も、医療施設数も地域ごとによって異なるからこそ、オンライン医療は地域ごとに取り組んでいくほうが広まる可能性は高いと言えるかもしれない。そういった視点から見ても、今回の高知県宿毛市の取り組みは非常に興味深いものだ。


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