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Medical DX編集部 2021.5.24

GEヘルスケア、AIで医療機器の稼働状況を分析し、医療業務の効率化へ

■GEヘルスケアが病院のDXを支援するサービスを開始


医療ビッグデータの利活用は、治療や手術といった場面に限られるのではなく、医療業務の効率化においても求められている。とくに昨今は新型コロナウイルス禍で採算が悪化した医療機関も多く、経営改善にもつながるであろう医療機関自体のDXに関心が集まっている。

そうしたなか、GEヘルスケア・ジャパンがIoTAIを駆使して、医療機器の稼働状況をデータ化することで設置台数を減らし、医療業務の効率化につなげるサービスを開始すると発表した。3年以内に100施設への導入をめざすとしている。

このサービスでは、医療機関内の医療機器の位置情報や稼働状況をセンサーやソフトウェアで計測してAIで分析。診療報酬明細書(レセプト)などの医療記録と照らし合わせて適切な機器の配置場所や設定を探り、収益性を高められるかをデータで導く。

たとえば、利用頻度の低い医療機器を複数の診療科で共有することなどを通じて、機器の台数や保管場所などを見直し、全体としての稼働効率の向上を実現させ、同時にそれを支える病院運営のしくみづくりにも着手することで、経営改善につなげていくという。

このサービスは、GEが自社工場で進めるIoTやAIによる生産性向上の取り組みを医療業務に活用したもので、GEヘルスケアは短期的には医療機器の販売減になるが、設備投資余力を高めることで中長期的には販売増につながると見ている。

一方、このサービスを導入する医療機関側のメリットはどの程度のものなのだろうか?

実証実験を進めてきた倉敷中央病院とGEヘルスケア・ジャパン(プレスリリースより)

2018年からGEヘルスケア・ジャパンと実証実験を進めてきた倉敷中央病院の関係者によると、医療機器の稼働状況などのデータ分析から、超音波診断装置の総台数を114台から95台に削減でき、それに伴い、それぞれの診療科に必要な機能や仕様を満たす超音波診断装置の再配置を実施することによって、年間3,500万円の投資抑制につながったという。その一方で、稼働状況をもとにハイエンドな機器を新規に導入することで医療の質向上にも寄与できたとしている。また、稼働データを把握する過程で、救急外来におけるエコー検査の実施記録漏れが明らかになり、年間800万円の算定漏れを改善することにもつながったという。

高齢化と労働人口の減少が進む日本においては、医療機関のキャパシティを増やすだけではムダが生じるし、また現実的な方策とはいえない。ムリやムダを見つけながら医療機器の稼働率を上げることで、それらの効率化・最適化を果たし、それによって医療従事者の働き方改革にもつなげることが、ひいては患者が望む医療やケアの提供にもつながるだろう。

そのための処方箋として、医療機関自体のDXを推進するこうしたサービスの重要は今後ますます高まっていくと考えられる。


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Medical DX編集部

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