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Medical DX編集部 2021.5.12

新型コロナの重症化リスクが自宅で検査可能!腎疾患のバイオマーカーL-FABPの量を計測

■尿中L-FABPを用いた世界初の新型コロナ重症化リスク検査


新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。東京都、愛知県、大阪府、兵庫県、京都府、福岡県では、5月31日まで緊急事態が宣言された。この状況には、連日報道されているように変異株の影響が大きいと考えられる。変異株に関しては、感染力が強く、高齢でない人であっても重症化しやすいという報告が出ている。

欧州疾病予防管理センターの報告では、従来型に感染した場合は7.5%が入院し、0.6%が重症化して集中治療室(ICU)に入ったが、変異株である英国型に感染した場合は11.0%が入院し、1.4%がICUに入室したという。また、入院患者の平均年齢は従来型より6歳若く、従来型よりも20~30歳代で3倍、40~50歳代で2倍入院しやすくなっているという。

その影響もあるのだろう。病床使用率、10万人あたり療養者数、1週間の陽性率、10万人あたり1週間の新規感染者数、感染経路不明の割合といった政府の分科会が示した指標は、緊急事態宣言が出ている6府県はいずれもステージ3からステージ4の状況にあり、とくに大阪では5月5日時点で病床使用率92%、重症用病床使用率100%となっている。

これまでであれば、自覚症状があまりない状態であれば自宅待機などもやむをえなかっただろうが、症状が悪化した際に入院することができないかもしれないという現状は、非常に厳しい事態だといわざるをえない。

そうしたなか、新型コロナウイルスの重症化リスクを自宅で検査できるサービスが開発され、話題を集めている。筑波大学発のスタートアップ企業であるBlue Industries社が、L-FABPによる新型コロナウイルス重症化リスク分析サービスをリリース。郵送検査キットのオンライン販売を開始した。

L-FABP(Liver-type Fatty Acid-Binding Protein:L型脂肪酸結合蛋白)は、腎臓にストレスがかかると排出される物質で、腎疾患のバイオマーカーとして注目されている。尿に含まれるこのL-FABPの量が正常値より多いと、新型コロナウイルス感染症にかかわり、症状が悪化しやすい傾向にあることが近年の研究で示されているという。

従来、L-FABPを測定するためには、尿を凍結して輸送しなければならないという課題があったが、Blue Industries社は常温保存技術を開発。常温環境でのL-FABPの分解を抑制し、尿を凍結せずに郵送検査することを可能にした。これによって、検査を受ける方は、オンラインで郵送検査キットを購入し、自宅で尿検査キットを使って採尿したのち、キットを返送すれば、1~2週間で分析結果がメールで通知されるという。

新型コロナウイルスの猛威が止まらないなか、変異株が拡大していることもあって、新型コロナの重症化リスクは増している。そのリスク回避の一助として、画期的なサービスが誕生したといえるだろう。


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