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Medical DX編集部 2021.4.20

電子カルテから超音波画像診断装置までを連携、産婦人科領域で進むICT化

■深刻な医師不足に対応するためにも必要なICT化


医師不足が叫ばれるようになって久しい。2007年の統計だが、OECD(経済協力開発機構)が実施した人口1,000人あたりの医師数の国際比較では、日本はOECD加盟国中ではほぼ最下位という結果だった。

この医師不足が原因となって問題になっているもののひとつが、医師の偏在だ。都市部と地方を比べた際に、明らかに地方の医師不足は深刻な問題となっている。そしてもうひとつが、診療科による医師の偏在だ。とくに産科と小児科において、医師不足は顕著となっている。

これらの解決のためには、医療費総枠(診療報酬)の引き上げや医大学生の定数引き上げなど、複合的な施策が必要になるが、そうした枠組み作りとは別の視点から求められているのが、DX化やICT化による利便性・効率性の向上だろう。

そこで、深刻な医師不足問題を抱える産婦人科領域、周産期医療をサポートするものとして、電子カルテから超音波画像診断装置までの情報共有をシームレス化するシステム連携がスタートした。

株式会社クリプラが提供するクラウド電子カルテ「CLIPLA(クリプラ)」と、日本サード・パーティ株式会社が提供する医用画像クラウドサービス「Tricefy(トライスファイ)」が連携。「Tricefy」は、GEヘルスケア・ジャパン株式会社が提供する産婦人科向け超音波画像診断装置「Voluson(ボルソン)」シリーズと連携していることから、電子カルテから超音波画像診断装置までの情報共有のシームレス化が実現することとなった。

電子カルテから超音波画像診断装置までの情報共有の流れ

超音波画像診断装置「Voluson」は、周産期・産婦人科分野の医師の診療を検診から精査の段階にいたるまでサポートできる装置として知られており、この装置から直接インターネットを介してクラウド上の「Tricefy」に超音波画像や動画を保存することができる。そして、「CLIPLA」が「Tricefy」と連携することによって、超音波画像診断装置「Voluson」から出力される画像や動画、検査数値をクラウド上で管理し、患者やほかの医療機関、医師との情報共有を簡単にできるようになったのである。

このシームレス化によって、たとえば院内での保存容量に関する課題やデータ損失のリスクといった課題を解決でき、また診療上必要なデータにすばやくアクセスできることで日々の診療を効率化させ、さらには患者への情報共有を促進することで患者の満足度向上に貢献することができるだろう。

医療DXの活用事例のひとつとして、産婦人科領域でのこの試みには期待したい。


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