
AI(人工知能)が医療に導入されることによって、いち早い病気の発見、正確な治療を行うことが期待されている。研究は進んでいるが、実際に病院へはどのように導入されているのだろうか。アメリカ、ドイツ、中国を中心に海外の先行事例について紹介する。
1993年にアメリカ遠隔医療学会が創設されたアメリカでは、早い段階から遠隔医療の整備が進められてきた。
遠隔医療の普及が急速化したのは、2010年にオバマ大統領主導による健康保険制度改革「オバマケア」が施行されたことに端を発し、16年に高齢者医療保険制度(Medicare)で遠隔診療が保険償還できるようになったことが背景にある。以降、特定の箇所でオンライン診療が認められてきたが、2020年3月にはトランプ大統領がオンライン診療の制限解除令にサインしている。
IoTを積極的に活用している例としては、ミズーリ、アーカンソー、カンザス、オクラホマの4州で病院ネットワークを経営しているマーシー・ヘルス・システム(Mercy health system)があげられる。これまでの遠隔操作システムを統合させて運営する「バーチャル・ケア・センター」を立ち上げ、ICU収容患者からIoTデバイスを持った在宅患者まで、統括してモニタリングできる施設を開設している。
代表例としては、ニューヨーク・メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター。IBM社が開発したワトソン(Watson)を取り入れ、これまでの膨大な症例を学習させることによって、がんの早期発見、またその正確な治療法を導き出す方法をとっている。
また、カリフォルニア州の小児病院チルドレンズ・ホスピタル・ロサンゼルスでは、IoT医療機器を使ってモニタリングしたデータをもとに、AIが病状悪化の可能性の高い子どもをいち早く察知し、医者に伝達できるシステムを導入している。
ヨーロッパではドイツがAI研究に力を入れており、アメリカのシリコンバレーにならった「サイバーバレー」計画を発表、ヨーロッパ最大の研究クラスタを目指している。
そんななか、デュースブルク・エッセン大学の医学部とエッセン医科大学は「医療人工知能研究所(Institut für Künstliche Intelligenz in der Medizin)」を設立し、医療用のAI研究を進め、将来的にはエッセン大学病院をスマートホスピタル化する予想図を立てている。
■アメリカ〜遠隔医療からAIの取り組みへ
1993年にアメリカ遠隔医療学会が創設されたアメリカでは、早い段階から遠隔医療の整備が進められてきた。
遠隔医療の普及が急速化したのは、2010年にオバマ大統領主導による健康保険制度改革「オバマケア」が施行されたことに端を発し、16年に高齢者医療保険制度(Medicare)で遠隔診療が保険償還できるようになったことが背景にある。以降、特定の箇所でオンライン診療が認められてきたが、2020年3月にはトランプ大統領がオンライン診療の制限解除令にサインしている。
IoTを積極的に活用している例としては、ミズーリ、アーカンソー、カンザス、オクラホマの4州で病院ネットワークを経営しているマーシー・ヘルス・システム(Mercy health system)があげられる。これまでの遠隔操作システムを統合させて運営する「バーチャル・ケア・センター」を立ち上げ、ICU収容患者からIoTデバイスを持った在宅患者まで、統括してモニタリングできる施設を開設している。
マーシー・ヘルス・システムの紹介動画
また、AIを使った取り組みを積極的に取り入れている病院も多数ある。代表例としては、ニューヨーク・メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター。IBM社が開発したワトソン(Watson)を取り入れ、これまでの膨大な症例を学習させることによって、がんの早期発見、またその正確な治療法を導き出す方法をとっている。
また、カリフォルニア州の小児病院チルドレンズ・ホスピタル・ロサンゼルスでは、IoT医療機器を使ってモニタリングしたデータをもとに、AIが病状悪化の可能性の高い子どもをいち早く察知し、医者に伝達できるシステムを導入している。
■ドイツ〜国民病・糖尿病の合併症もAIで早期発見
ヨーロッパではドイツがAI研究に力を入れており、アメリカのシリコンバレーにならった「サイバーバレー」計画を発表、ヨーロッパ最大の研究クラスタを目指している。
そんななか、デュースブルク・エッセン大学の医学部とエッセン医科大学は「医療人工知能研究所(Institut für Künstliche Intelligenz in der Medizin)」を設立し、医療用のAI研究を進め、将来的にはエッセン大学病院をスマートホスピタル化する予想図を立てている。
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