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Medical DX編集部 2021.2.22

スマートウォッチで糖尿病の悪化リスクを防ぐ?血糖値測定機能付きデバイスのいま

血中のブドウ糖量、すなわち血糖値が高い状態が続くことでさまざまな合併症を引き起こす糖尿病

厚生労働省が2020(令和2)年に発表した、『令和元年「国民健康・栄養調査」』によれば、「糖尿病が強く疑われる者」の割合は、男性19.7%、女性10.8%を占め、現代の国民病とも言われる。

血糖値を調べるには、皮膚を穿刺して採血することが必要だ。とくに糖尿病を発症してからは日常的に血糖値を測定することで、患者自身が血糖コントロールを行い、病状の深刻化を防ぐことが重要となる。

しかし、採血のたびに患者の痛みを伴い負担が大きいこと、さらには穿刺針やセンサーチップのコストが高いことなどの問題があった。

そこで近年、生体を傷つけずに(非侵襲)血糖値を計測する技術の開発が急速に進んでいる。

なかでも、ヘルスケア機能の拡充が進むスマートウォッチ型のウェアラブルデバイスに血糖値の測定機能を搭載しようという動きが注目されている。

ラマン分光法という技術に基づいて、マサチューセッツ工科大学と非侵襲型血糖値測定の研究を行っているのが、サムスン(Samsung)だ。「Science Advances」誌に発表したところによると、測定の精度を最高レベルに上げることができたという。

この技術が近く「GalaxyWatch」シリーズに搭載されるのではないかと、韓国の大手ITメディア「ETNews」が報じている。

いっぽう、世界のスマートウォッチ市場で最大のシェアを誇り、日本でも血中酸素濃度計測、心電図機能が有効化されたApple Watchにも、血糖値計測機能が搭載されるという説がとりざたされている。その理由は、Appleは2018年に、吸光分光法を用いて接触をせずに物質の濃度を特定することができる技術を特許申請しているからだ。この技術によって、非侵襲で血糖値測定ができるのではないかという予測もある。

これらのほかにも、イスラエルの医療ベンチャーGluco Vistaなど、多数の企業がウェアラブル型の非侵襲血糖値測定機を研究開発しているが、なかでも2021年1月の「CES2021」で注目されたのが、日本のベンチャーである株式会社クォンタムオペレーションによる「世界初となる非侵襲連続測定可能な血糖センサー」だ。


LEDセンサーおよびフォトダイオードを駆使したセンサーを搭載。独自のスペクトラム安定化技術、ノイズ除去技術によって、精度の高いデータ取得ができるとしている。

このように、非侵襲で簡易に血糖値を測ることができるウェアラブル型の測定機は日進月歩で開発が進んでいる。侵襲型の測定と、同じくらいの精度を得られるようになる日も遠くはないだろう。

しかし、医療機器、医療検査機器としての承認されるまでになるには、ある程度の時間を要すると予想される。

とはいえ、デバイスそのものの通信機能や、スマートフォンなど別のIoTデバイスと組み合わせ、機械学習でデータを分析すれば、個人に最適化したヘルスケアを行えるようになるだろう。さらなる技術の進歩に注目したい。
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Medical DX編集部

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