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加藤 泰朗 2021.1.21

子育ての悩み・不安を解消する注目のBaby Tech

■デジタル技術で子育てのカタチが変わる!?


「Baby Tech」というワードをご存じだろうか? 赤ちゃんに関するさまざまな課題を、IoTAIといった先進的なデジタル技術で解決し、新たな価値を創造する技術のことである。Fin Tech(金融×テクノロジー)、Med Tech(医療×テクノロジー)、Fem Tech(女性の健康×テクノロジー)など、いわゆるX Tech(クロステック)の一分野で、2016年に世界最大規模のデジタル技術見本市CESで使われはじめ、いまや世界中で注目されている言葉だ。

妊活、妊娠、出産、子育て、教育など、Baby Techのターゲットとする領域は多岐にわたる。ここでは、乳幼児期の子育てに役立つアプリデバイスを紹介していきたい。

■「何をどのように食べさせればいいの」がアプリでわかる


乳幼児の子育てでの悩みごとのひとつに「食べる」ことがある。たとえば離乳食は、始めるタイミングや進み具合に個人差があり、食べるものも2〜3カ月くらいでどんどんと変わっていく。アレルギー反応も心配だ。

こうした悩みにこたえてくれるのが、カラダノート社が提供するアプリ「ステップ離乳食」だ。このアプリを使えば、月齢に適した食材の種類や状態を確認できる。また、食べられた食材やアレルギー反応の有無を記録する機能があり、のちのちの振り返りにも役立つ。料理負担の軽減につながるコンテンツとして、管理栄養士が監修した時短レシピなども用意されている。
アプリ「ステップ離乳食」の画面イメージ

カラダノート社は、「ステップ離乳食」以外にも妊娠中・育児中のママ限定のチャットアプリ「ママびよりカフェ」や、予防接種の記録やスケジュールを管理できる「ワクチンノート」など、子育ての効率化をはかるための支援アプリを提供している。

■太陽光に模した光で赤ちゃんの睡眠リズムをつくる


「睡眠」もこの時期の子育てにとって、悩みのタネだろう。赤ちゃんが夜泣きして、睡眠が不規則になるのは当たり前のこと。でも、それが長く続くと、親の負担も大きくなる。できれば、早く赤ちゃんに規則正しい睡眠リズムを習得してもらいたいと思う親も少なくないだろう。

ファーストアセント社の「ainenne(あいねんね)」は、赤ちゃんの起床就寝のリズム形成を助けるデバイスである。私たちのからだがもつ「体内時計」が、太陽光を浴びてリセットされることをヒントに開発されたという。太陽光を模したLED光による目覚まし機能や、起床時間の推奨機能、ホワイトノイズ再生機能など、赤ちゃんの起床・就寝をサポートする機能を備えている。

「ainenne(あいねんね)」

■AIを活用してうつぶせ寝を検知し通知


睡眠では「うつぶせ寝」の問題も心配だ。睡眠中に赤ちゃんが死亡する「乳幼児突然死症候群(SIDS:sudden infant death syndrome)」については、たびたび報道で耳にする。厚生労働省の資料によると、仰向けよりうつぶせに寝かせたときのほうが、SIDSの発生率が高いという。

ニュートラル社の「赤ちゃんうつぶせ寝検知アプリ」は、AIを用いて赤ちゃんのうつぶせ寝を検知するサービスである。天井などにカメラを設置してAIで画像を解析し、うつぶせ・横向け・仰向けの3つの睡眠姿勢を判定することができる(1台のカメラで最大8人まで判定可能)。うつぶせ寝を検知すると登録したLINEやPCメールに通知が送られるため、近くで見守れないときでも安心だ。

ニュートラル社のサービスは保育施設向けのものである。家庭向けのサービスでは、たとえばベビースマイル社の「乳児用体動センサ ベビーアラーム」のように、ベビーベッドに体動感知センサーを敷いて、赤ちゃんの異常を感知するデバイスなどが発売されている。

■ベビーカメラで忙しくて近くにいられないときも安心


離れた場所で家事や仕事をしながら、赤ちゃんを見守ることができるベビーカメラも、この時期の子育ての負担を軽減してくれるテクノロジーだ。

パナソニックが2020年11月に販売開始したベビーカメラを使えば、赤ちゃんの行動をスマートフォンでリアルタイムに確認できる。カメラには自動追尾機能が備えられており、赤ちゃんが動いても問題なく撮影可能だ。また、カメラに搭載された動作センサー、温度センサーが反応すると、スマートフォンの専用アプリに通知が届くため、赤ちゃんの変化にすぐに気がつくことができる。200万画素の高画質で録画した動画は、タイムラプス機能で時間を早めて楽しむことができる。スマートフォンからの遠隔写真も可能だ。

「ベビーカメラ」の使用イメージ

■デジタル技術でもっと子どもと過ごす時間をつくる


子育て中の親の悩みは、子どもに直接かかわることだけではない。子育てと、これまでの生活(家事や仕事)とをどう両立させるかも、大きな悩みだ。

「子育てに集中できる時間をたくさんつくることができるテクノロジーがあれば、いちばん助かる」。筆者の知人で、目下子育て中の女性がそう話してくれた。直接子育てをサポートするだけでなく、自動掃除機や食洗機のように、間接的に子育ての余裕をつくる、いわば広義の「Baby Tech」の開発が進むことにも期待する。


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WRITTEN by

加藤 泰朗

1973年生まれ。人文系・建築系・医学看護系の専門出版社を経て、独立。
フリーランスとして、編集・ライティングを行う。
難しいことを楽しく、わかりやすく伝えることを大切にしています。
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