診断
Medical DX編集部 2022.1.24

日本初!胸部X線画像から新型コロナを含む感染性肺炎の診断支援をするAIエンジン

■普及しているX線でコロナ感染の早期スクリーニングが可能に


2019年12月に中国から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界中に拡大し、日本においても2022年1月時点で累計感染者数が198万人を超え、18,000人以上が死亡する事態となっており、経済的・社会的にも多大な影響を与えている。

ワクチン接種率が向上して、21年10月ごろからはずいぶんと新規感染を抑制できていたが、オミクロン株の出現により、22年1月からは感染再拡大の様相を見せており、「第6波」に突入した状況となっている。

そうしたなか、感染拡大防止ひいては重症疾患診療を担う中核病院の医療資源を維持するためには、初期診療段階での新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者のスクリーニングが重要とされている。

そこで注目を集めているのが、株式会社ドクターネットが12月に薬事承認を取得した「胸部X線肺炎検出エンジン DoctorNet JLK-CRP」だ。

このAIエンジンは、約20万症例を学習用画像として用い、ディープラーニングの畳み込みニューラネットワーク技術の DenseNet アルゴリズムおよび Class Activation Map アルゴリズムによって開発された。胸部X線画像を自動解析し、感染性肺炎所見の確信度および着目領域を解析結果として出力する。感染性肺炎所見の確信度は、30%未満を「Low」、30%以上65%未満を「Mid」、65%以上を「High」の3段階で表示し、確信度が50%以上の場合に、着目領域を胸部X線画像上にマーキングする。

解析結果をレポート形式で表示・出力することも可能だ

この「胸部X線肺炎検出エンジン DoctorNet JLK-CRP」が注目されているのはなぜか? それは、単純X線画像を対象にした日本初のAIエンジンだからだ。

CT画像から新型コロナウイルス肺炎の画像所見を検出するAIエンジンはすでに存在しているが、日本ではCT検査装置の保有施設数は1万強で、普及率は10%強といわれている。一方で、単純X線撮影装置の保有施設数は約5万~6万、普及率も50%を超えている。ただし、CT画像と比較して感染性肺炎の画像所見を適切に読影することがむずかしい単純X線画像は、放射線診断専門医がいないケースが多いクリニックや市中病院ではその診断が困難であった。

そこでこのAIエンジンの出番である。放射線診断専門医同等の検出精度により感染性肺炎の画像所見の有無を検出することで、クリニックや市中病院の非専門医の診断を補助し、早期スクリーニングを実現するのだ。

クリニックや市中病院に広く普及している単純X線撮影装置を活用し、PCR検査などとあわせて、感染症肺炎画像所見の有無を適切に抽出するーー「胸部X線肺炎検出エンジン DoctorNet JLK-CRP」が可能とする早期スクリーニング体制によって、より広範な感染拡大防止に寄与することが期待されているのである。


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