診断
Medical DX編集部 2021.5.20

画像解析AI技術を活用して脳の健康レベルを可視化、将来の認知症予防アドバイスを提供する脳ドック用プログラムが登場!

■超高齢社会日本にこそ必要なプログラム


医療領域でのAI活用が進むなか、とくに進展がめざましい画像診断画像解析領域において、脳の健康レベルを可視化し、将来の認知症予防アドバイスを行える脳ドック用プログラム「BrainSuite(ブレーンスイート)」が、株式会社フィリップス・ジャパンと株式会社CogSmartから登場した。

CogSmartは、『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)などのヒット作の著者である瀧靖之教授が所属する東北大学加齢医学研究所発の医療テクノロジー系スタートアップ企業(瀧教授はCSOを務める)。

「BrainSuite」は、瀧教授らの研究成果に基づいて開発された、早期段階からの認知症リスク低減を目的とした脳ドック用プログラムで、従来の脳ドックなどへの追加検査サービスとして利用してもらうことを想定しているという。対象年齢層は30代から70代以上までと幅広い。

従来の頭部MRI検診(脳ドックなど)は、脳卒中や脳梗塞などの脳血管性疾患の早期発見がおもな目的だったこともあり、脳の健康状態(自分の脳の健康状態が年齢相応かどうかなど)や将来の認知機能の低下リスクは可視化できていなかった。その点を克服したのが「BrainSuite」である。

「BrainSuite」には、次のような3つの特徴がある。

1. 東北大学加齢医学研究所によって開発されたAIによる脳MR画像解析プログラム「Hippodeep(ヒポディープ)」を搭載。このプログラムによって、記憶をコントロールする脳領域のひとつである海馬の体積や微細な萎縮程度を1分弱で測定することができ、それによって脳の健康状態や将来の認知症リスクを評価できる。

2. 東北大学加齢医学研究所監修のもと、医学エビデンスおよび脳MR画像データセットに基づいた分析を行うことで、海馬の体積など測定結果の指標化を実現。また、米国食品医薬品局(FDA)承認済みの認知機能テスト「Cantab(キャンダブ)」を併用して、脳の健康状態や将来の認知症リスクの信頼ある分析を可能にした。

3. 脳の健康状態や将来の認知症リスクの分析といったスクリーニングにとどまらず、オンライン問診の測定結果と医学エビデンスに基づき、個々人に適した将来の認知症予防のためのアドバイスを自動で提供する。

こうした特徴によって、「BrainSuite」は脳の健康状態や将来の認知機能の低下リスクを可視化できるようにし、さらに将来の認知症予防アドバイスを行う。

超高齢社会である日本では、すでに国内約500万人が認知症と推計されており、今後「高齢者の4人にひとりが認知症の時代が来る」といわれている。瀧教授によれば、平均寿命に対して、ひとりで自立した暮らしを送れる「健康寿命」の差が10年近くあり、そのいちばんの原因は認知症だという。まさに認知症は、健康寿命にかかわる大きな課題のひとつだ。

また、医療費・介護費・インフォーマルケアコスト(家族などが無償で実施するケア費用)などの認知症にかかる費用や、認知症高齢者・介護者の支援方法のあり方などの面からとらえても、認知症は社会全体で早急に検討すべき重要な課題になっているといえる。

認知症がもたらすこうした課題解決の入り口として、認知症の早期発見と介入を実現する「BrainSuite」の可能性に期待したい。


フィリップス「プレスリリース」
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WRITTEN by

Medical DX編集部

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