介護
Medical DX編集部 2022.5.27

現役医師が在宅医療・介護のための多職種連携アプリを開発〜北摂医療企画「ざいる」

ここ数年、「2025年問題」という言葉を目にすることが多くなっている。これは、1947〜1949年に生まれた第二次大戦後のベビーブーマー、いわゆる「団塊の世代」がすべて75歳以上の後期高齢者となる、超高齢化社会を迎える年代に入る諸問題を指している。

こと医療においては、社会保障費への懸念だけではなく、実際の医療現場において、後期高齢者をいかに支えるか、という問題が横たわっている。病院のベッドが逼迫することが予想されるなかで、国はその問題解決策のひとつとして、自宅での看護およびそれを支える訪問診療クリニック・支援病院、訪問看護ステーションの増加の施策を行ってきた。

そうしたなかで、1人の患者に対して、関わる事業所の組み合わせが多くなり、それぞれのコミュニケーションが円滑に行われづらくなるというケースも浮き彫りになりつつある。

プレスリリースより、在宅看護訪問診療料、往診料の件数の推移

問題となるひとつの要因として、地域医療の現場においては、医療介護の連携がいまだに電話やファックス、書面交換といった方法が主体になっていることが挙げられる。これを解決するために、多職種連携のためのアプリケーション開発も行われている。

そのひとつが、この4月に株式会社北摂医療企画がリリースした「ざいる」だ。開発者は実際に地域医療の現場で訪問医療に従事する現役医師たちである。

実際の医師たちが開発したことにより、これまでのアプリが「ローカルシステムの吸収」か、「効率的なレポーティングシステム」のどちらかを志向したもので、現場のニーズにこたえきれていなかった問題を解決できるという。

「ざいる」は、ローカルシステムを維持しながら「ゆるく」つなげ、見える化することをコンセプトに、お互いの日々の診療や介入内容を、無理なく見えるかたちにすることを目指したものだ。

プレスリリースより、「ざいる」アプリの機能解説

アプリは「メモ機能」「カレンダー機能」「チャット機能」の3つの機能を実装、とくにカレンダーを用いた連絡帳機能によって、医療。介護事業所のユーザーが、各自の予定や内容を入力して共有でき、医療品などの管理、実施入力も行えることで、連携に関わる負担を大きく減らすことができる。

実際にテスト実装段階で約300名の医療介護職ユーザーが登録し、テストを行ったところ、大きな反響を得ているということだ。

今後はプレミア機能を追加するなどして事務的な連携問題の解決を行ったり、患者のアウトカムにどう影響するかを大学組織などと共同研究で検証していくことを予定している。

「ざいる」はiOSAndroidに対応し、Webブラウザからも利用できるため、デバイスを気にせず利用できることも大きなメリットだろう。

在宅医療、介護の比率が大きくなっていくなかで、医師たちが開発したアプリが、現場にどういった影響をもたらすか、今後の展開にも期待がかかる。


●「ざいる」
ホームページ:https://www.theiru.com
Webブラウザ版:https://the-iru-dev.web.app/
iOS, Android版:各アプリストアよりダウンロード可能
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WRITTEN by

Medical DX編集部

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